Vibe Security Radar プロジェクト:GenAI 由来の脆弱性のみを判別して掲載

Security Researchers Sound the Alarm on Vulnerabilities in AI-Generated Code

2026/03/27 InfoSecurity — Anthropic の Claude Code などのバイブ・コーディング (Vibe Coding) ツールによる新たな脆弱性が、ソフトウェアへと大量に流入していると、Georgia Tech の研究者たちが警告している。2026年3月には、AI が生成するコードに起因する、35 件の新たな CVE (Common Vulnerabilities and Exposures) が公開された。この数字は、1月の 6 件と、2月の 15 件から大幅に増加している。これらの脆弱性を追跡しているのは、Georgia Tech (ジョージア工科大学) の Systems Software & Security Lab (SSLab) が、2025年5月に立ち上げた Vibe Security Radar プロジェクトである。

AI コーディング・ツール由来の脆弱性を追跡

Vibe Security Radar は、AI コーディング・ツールにより直接導入された脆弱性を追跡することを目的としている。なお、それらの脆弱性は、公的アドバイザリである CVE.org/NVD/GitHub Advisory Database (GHSA)/Open Source Vulnerabilities (OSV)/RustSec などに掲載されたものである。

Vibe Security Radar の創設者である Hanqing Zhao は、「AI コードは安全ではないと言われているが、実際に追跡している人はいない。必要なのは、ベンチマークや仮説ではなく実データであり、実際のユーザーに影響する脆弱性である。」と述べている。

彼は、「バイブ・コーディングによるプロジェクトを、本番環境へ投入するケースが増えている現状においては、この追跡が不可欠である。仮にコード・レビューを行っていても、コード・ベースの半分が機械生成であれば、すべてを検出することは現実的ではない」と付け加えている。

50 種のツールと 74 件の脆弱性を追跡

同大学の研究チームが対象にしているのは、Claude Code/GitHub Copilot/Cursor/Devin/Windsurf/Aider/Amazon Q/Google Jules などの、約 50 種類の AI コーディング・ツールとなる。

Hanqing Zhao は、「Vibe Security Radar の構築においては、最初に公開脆弱性データベースから情報を取得し、修正コミットを特定し、その原因となった変更を逆追跡する。そのコミットに、AI ツールの署名 (co-author タグや bot メールなど) があればフラグを付ける」と説明している。

その後に、AI エージェントを用いて各脆弱性の根本原因を分析し、AI 生成コードの関与を判定する。彼は、「AI エージェントは、Git リポジトリとコミット履歴にアクセスできるため、単なるパターンマッチではなく実際の調査が可能である」と述べている。

確認された74件の CVE のうち、最も多く検出されたのは Claude Code であり、その原因は、Anthropic のツールが常に署名を残すためである。また、Claude Code の比率が高い背景には、開発コミュニティにおける広範な利用があると思われる。その一方で、Copilot のようなインライン補完は痕跡を残さないため、検出が困難であるとされる。

Credit: Robert Way / Shutterstock.com
Credit: Robert Way / Shutterstock.com
オープンソースに潜む未検出の脆弱性

Hanqing Zhao は、AI コーディング・ツールに起因する CVE の実数は、Vibe Security Radar に表示される件数よりも、確実に多いと述べている。

彼は「現時点で検出できているのは、メタデータが残っているケースのみであり、実際には 5〜10 倍に達すると思われる。つまり、AI により生成された 400〜700 件ほどの脆弱性が、オープンソース全体に存在すると推定される」と述べている。

例として、OpenClaw には 300 件以上のセキュリティ・アドバイザリが存在するが、AI 由来と確認できるのは約 20 件に留まる。その理由は、AI ツールの痕跡が作者により削除されているためである。さらに、CVE や GHSA が付与されない脆弱性も多数存在するため、さらに追跡が困難になっている。

Hanqing Zhao は、「AI コーディング・ツールによる脆弱性は、今後も増加するだろう。2026年2月だけでも、Claude Code は GitHub 上の公開コミットの 4% 以上を占めており、その割合は増加している。AI コードが増えれば、それに比例して脆弱性も増える」と述べている。

Vibe Security Radar プロジェクトは長期的に継続される予定であり、今後はメタデータに依存しない検出手法の開発も進められる。

Hanqing Zhao は、「将来的には、プロジェクト全体/コミットパターン/コードスタイルから AI 生成コードを識別する。AI コードには特有の特徴があり、それを検出するモデルを開発中である」と結論づけている。