npm に悪意の rootkit パッケージ:2ヶ月間で 700 回もダウンロードされている

Rogue npm Package Deploys Open-Source Rootkit in New Supply Chain Attack

2023/10/04 TheHackerNews — npm パッケージ・レジストリで新種の偽装パッケージが発見され、r77 と呼ばれるオープンソースの rootkit が配布されていたことが判明した。問題のパッケージは、”node-hide-console-windows” であり、正規の npm パッケージ “node-hide-console-window” を模倣する、典型的なタイポスクワッティング・キャンペーンの事例となる。このパッケージは、削除されるまでの2ヶ月間に、704回もダウンロードされている。

この活動を 2023年8月に検知した ReversingLabs は、「オープンソースの rootkit である r77 を容易に配布する、Discord ボットをダウンロードした。この種のパッケージは、OSS プロジェクトがマルウェアを配布する手段として、多用されていく未来を示唆している」と付け加えた。

ReversingLabs によると、このパッケージの index.js ファイル内に悪意のコードが含まれており、それが実行されると、自動的に別の実行ファイルを取得されるという。

問題の実行ファイルは、”DiscordRAT 2.0″ という名の C# ベースのオープンソース型トロイの木馬であり、セキュリティ・ソフトウェアを無効化しながら、機密データの収集を容易にするものだ。全体で 40 個以上のコマンドを使用して、Discord 上で被害者のホストを遠隔操作する機能を備えているという。

bytecode77 により積極的に保守されている r77 は、ファイルやプロセスを隠すように設計された “fileless ring 3 rootkit” であり、他のソフトウェアにバンドルされるケースもあれば、ダイレクトに直接されるケースもあるという。

この r77 は、SeroXenトロイの木馬や暗号通貨マイナーを配布する、攻撃チェーンの一部として利用されてきた実績があり、悪意のキャンペーンに利用されるのは、今回が初めてではない。

さらに、node-hide-console-windows の2種類のバージョンが、DiscordRAT 2.0と一緒に Blank-Grabber というオープンソースの情報窃取ツールを取得し、”Visual Code Update” として偽装されていることも判明している。

このキャンペーンで特筆すべきは、オンラインで自由に一般公開されているコンポーネント基盤上に構築されることで、脅威アクターによる組み立ての労力が大きく削減され点にある。つまり、サプライチェーン攻撃へのドアは、いまや低リスクの脅威アクターたちにも開かれていることになる。

この調査結果は、開発者がオープンソースのリポジトリからパッケージをインストールする際に、注意が必要であることを強調している。今週の初めには、Fortinet FortiGuard Labs が、データ収集機能を搭載した約30のモジュールを特定し、コーディング・スタイルや実行方法にバリエーションがあることを明らかにした。

セキュリティ研究者である Lucija Valentić は、「悪意の行為者たちは、自分たちのパッケージが信頼できるように見せかける努力をしている。このキャンペーンを操る脅威アクターは、typo-squatt の対象である正規パッケージ・ページに酷似した npm ページを作り、さらには、彼らが模倣するパッケージをミラーリングするために、悪意のパッケージの 10種類のバージョンを作成している」と指摘している。