NETGEAR ルーターの深刻な脆弱性 CVE-2025-4978 (CVSSv4:9.3) が FIX:PoC も提供

Critical NETGEAR Router Flaw Enables Full Admin Access via Hidden Backdoor (PoC Included)

2025/05/23 SecurityOnline — NETGEAR DGND3700v2 ルーターに、新たな脆弱性 CVE-2025-4978 (CVSSv4:9.3) が発見された。この脆弱性の悪用に成功した、未認証のリモート攻撃者は、ログイン認証の完全なバイパスを達成し、ルーターの Web インターフェイスにバックドアのようなものが埋め込まれていれば、短時間で管理者アクセスを得るという。

この脆弱性を発見したセキュリティ研究者の at0de は、「認証を必要としない “/BRS_top.html” へとアクセスすると、内部フラグ “start_in_blankstate” が “1” に設定され、HTTP Basic 認証のチェックが無効化される」と説明している。

この脆弱性は、ルーターに組み込まれた mini_http サーバ (デバイスの管理インターフェイス提供する軽量 HTTP デーモン) に存在する。上記のとおり、エンドポイント “/BRS_top.html” は、認証を必要とすることなくアクセスが可能であり、このページがトリガーされると、”start_in_blankstate” という内部変数が “1” に設定される。

at0de の技術解析レポートには、「”start_in_blankstate=1″ の状態では、認証プロセスがスキップされ、脅威アクターは、アクセス権を必要とすることなく、すべての機能へとアクセスできるようになる。これは、実質的に、バックドアと言えるだろう」と述べている。

その後に、このフラグは、認証ロジックを処理する関数 sub_404930 で使用される。フラグが有効化されていると、HTTP Basic 認証チェックが完全にバイパスされる。この挙動を悪用する攻撃者は、ユーザー名やパスワードを必要とせずに、ルーターのコンフィグ画面への完全なアクセス権を取得するという。このコンフィグ画面に取り込まれる情報には、ネットワーク設定/認証情報/ファイアウォール構成/保存されている可能性のある VPN や Wi-Fi 情報などがある。

脆弱性 CVE-2025-4978 が影響を及ぼす範囲は、ファームウェアのバージョン V1.1.00.15_1.00.15NA を実行する NETGEAR DGND3700v2 である。この脆弱性の影響は深刻であり、ローカル・ネットワークからのアクセスや、リモート管理が有効化されている場合には、数秒でデバイスを掌握できる可能性を、攻撃者は手にする。

その結果として、攻撃者は以下のような悪用が可能になる:

  • DNS 設定の改竄と、トラフィックのリダイレクト
  • マルウェアの持続的なインストール
  • 接続されたデバイスからの認証情報の収集
  • ファイアウォールやペアレンタル・コントロールなどの、セキュリティ機能の無効化

この脆弱性のトリガーは、きわめて容易であり、認証が一切不要なため、一般ユーザーや小規模企業にとって重大なリスクとなる。

すでに NETGEAR は、ファームウェア・バージョン 1.1.00.26 で、この脆弱性を修正している。