Nippon Steel Solutions 発生したデータ漏洩:道のゼロデイ脆弱性が悪用された

Nippon Steel Solutions 0-Day Network Vulnerability Exposes Users Personal Information

2025/07/08 CyberSecurityNews — Nippon Steel Solutions (NSS) が公表したのは、ネットワーク・インフラに存在していた未知の脆弱性を悪用するゼロデイ・サイバー攻撃を受け、顧客/従業員/パートナーたちの個人情報に、重大なデータ漏洩が発生したことだ。2025年3月7日の時点で検知されたインシデントは、深刻なセキュリティ侵害であり、直ちに封じ込め対策を実施した同社は、外部のサイバー・セキュリティ専門家と連携することで包括的な調査を開始した。

この侵害が発覚したのは、NSS のセキュリティ・チームが、社内サーバへの不審なアクセス・パターンを検知したときである。その後に同社は、侵害を受けたシステムをネットワークから即時に隔離し、外部のサイバー・セキュリティ専門家に対して、侵入の全容に関する調査を依頼した。

セキュリティ・インシデントの詳細

この調査の結果として明らかになったのは、これまでセキュリティ研究者やベンダが把握していなかった、ネットワーク機器に存在する脆弱性を狙うゼロデイ攻撃により、第三者による社内ネットワークへの侵入が成功したことである。

同社の声明によると、この攻撃は、パッチ未公開されていないソフトウェアの脆弱性を悪用しており、防御が極めて困難であったという。この種の攻撃は、システム・アーキテクチャに内在する未知の脆弱性を悪用するものであり、組織が直面する最も困難なサイバー・セキュリティ脅威の一つとされる。

調査の過程で確認されたのは、今回の侵害により複数のカテゴリに属する個人情報が、不正にアクセスされた可能性である。不正アクセスが想定される顧客データには、氏名/会社名/所属組織/役職/会社住所/ビジネス・メールアドレス/電話番号などが含まれる。

また、リスクにさらされたパートナー情報には、NSS 提供する企業ドメイン・アドレスを使用する、ビジネス用メールで用いられる氏名とアドレスが含まれる。また、アクセスされた可能性がある従業員データには、氏名/部署情報/役職/ビジネス用メールアドレスが含まれるという。

NSS が強調するのは、今回のセキュリティ・インシデントにより影響を受けたのは、社内ネットワーク・システムのみであり、顧客に提供するクラウド・サービスには影響がなかったことだ。

今回の侵害に対応する同社は、今後のインシデントを未然に防止するための、包括的な対策を講じている。さらに、法執行機関と連携し、規制要件に沿ったかたちで、個人情報保護委員会に必要な報告書を提出した。また、個人情報保護法の規定に基づき、影響を受けた顧客/従業員/パートナーに個別通知も開始したという。

技術的な復旧作業に含まれるのは、侵害を受けたデバイスの完全な隔離と再構築/強化された退出監視システムの導入/高度な行動検知機能の実装である。さらに、同様のインシデントを予防するために、追加の保護対策を講じ、セキュリティ体制を強化したという

現時点において、このインシデントで侵害された情報が、ソーシャルメディア・プラットフォームやダークウェブ・マーケットプレイス上で流通しているという証拠は確認されておらず、漏洩した個人情報の悪用による二次被害も報告されていない。

ただし、影響を受けた個人には、不審な通信に引き続き注意を払い、心当たりのない電話やメールに応対する際には、慎重に行動するよう呼びかけている。