CISA が公表した OSS プラットフォーム Thorium:マルウェア/フォレンジック分析を支援

CISA open-sources Thorium platform for malware, forensic analysis

2025/07/31 BleepingComputer — 2025年7月31日 (木) に米国の CISA が発表したのは、マルウェア/フォレンジック用の OSS プラットフォーム Thorium を、政府/公共部門/民間部門へ向けて公開するという声明である。この Thorium は、スケーラブルなサイバー・セキュリティ・スイートであり、サンディア国立研究所との提携により開発されたものである。

このプラットフォームは、サイバー攻撃調査に関する多様なタスクを自動化し、権限グループごとに、1秒あたり 1,700件以上のジョブ・スケジューリングと、1時間あたり 1,000万件以上のファイルの処理を可能にする。

この発表に際して CISA は、「Thorium は、商用ツール/OSS ツール/カスタム・ツールをシームレスに統合することで、分析ワークフローを自動化し、サイバー・セキュリティチームの能力を強化する。具体的には、ソフトウェア分析/デジタル・フォレンジック/インシデント対応などの、さまざまなミッション機能をサポートし、複雑なマルウェアの脅威に対する、アナリストの効率的な評価を可能にする」と述べている。

Thorium を使用するセキュリティ・チームは、多様なファイル分析ワークフローを自動化/高速化できる。以下の機能などが利用できる:

  • ツールのインポート/エクスポートを簡易化し、サイバー防御チーム間での共有を容易にする。
  • OSS/商用/カスタム・ソフトウェアを含む、コマンドライン・ツールを Docker イメージとして統合する。
  • タグおよび全文検索を使用して、結果をフィルタリングする。
  • 厳格なグループ・ベースの権限設定により、提出物/ツール/分析結果へのアクセスを制御する。
  • Kubernetes および ScyllaDB を活用し、ワークロードの要求に応じた拡張を可能にする。

防御に携わる人々は、CISA の公式 GitHub リポジトリから Thorium のコピーを入手し、インストール手順を参照できる。

CISA の Associate Director for Threat Hunting である Jermaine Roebuck は、「このプラットフォームの公開により、より広範なサイバー・セキュリティ・コミュニティが、マルウェア/フォレンジック分析のための高度なツールを活用できるようになる。バイナリなどのデジタル・アーティファクトをスケーラブルに分析することで、サイバー・セキュリティ・アナリストたちはソフトウェアの脆弱性を深く理解し、問題への対処を可能にしていく」と述べている。

その一方で、2025年7月30日 (水) に CISA は、インシデント対応中のセキュリティ・チームを支援する Eviction Strategies Tool を公開している。それにより、侵入を受けたネットワーク/デバイスから攻撃者を締め出し、排除するための措置が提供されるという。

さらに昨年の CISA は、Malware Next-Gen 分析システムも公開し、利用者たちから CISA への、マルウェア・サンプルの提出を支援している。一昨年には、重要インフラ施設をハッカーによる攻撃から保護するために、無料のセキュリティ・スキャン提供を開始している。