AI Agents Are Becoming Privilege Escalation Paths
2026/01/14 TheHackerNews — AI エージェントは、実験的なツールから、セキュリティ/エンジニアリング/IT/運用にわたる日常的なワークフローの中核コンポーネントへと急速に移行し始めている。個人用コード・アシスタント/チャットボット/コパイロットといった、個別の生産性向上ツールとして始まったものが、組織全体で共有されるエージェントへと進化し、重要なプロセスに組み込まれようとしている。

これらのエージェントは、複数のシステムにわたるワークフローをオーケストレーションできる。たとえば、次のような機能である。
人事システムの更新に基づき、IAM/SaaS/VPN/クラウド・プラットフォーム全体で、アカウントのプロビジョニングまたはデプロビジョニングを行う HR エージェントがあるとする。この HR エージェントは、変更リクエストを検証し、本番システムのコンフィグを更新し、ServiceNow での承認を記録し、Confluence でドキュメントを更新する。
また、カスタマー・サポート・エージェントは、CRM から顧客のコンテキストを取得し、課金システムでアカウントのステータスを確認し、バックエンド・サービスで修正をトリガーし、サポート・チケットを更新する。
組織内の AI エージェントは、大規模な価値を提供するために、多くのユーザー/ロールに対応できるように設計されている。効率的な運用に必要なツールとデータにアクセスするために、個々のユーザーよりも広範なアクセス権限が付与されている。
これらのエージェントの導入により、トリアージの迅速化/手作業の削減/運用の効率化といった生産性の実質的な向上が実現した。
しかし、こうした初期の成果には隠れたコストが伴う。AI エージェントが強力になるにつれて、深く統合されるにつれて、アクセスの仲介者にもなり得るようになってきた。広範な権限を持つため、誰が何に対して、どのような権限でアクセスしているのかを可視化できなくなる可能性がある。多くの組織は、スピードと自動化に重点を置くあまり、新たに発生するアクセス・リスクを見落としている。
組織のエージェントの背後にあるアクセス・モデル
一般的な組織エージェントは、多くのリソースをカバーして動作するように設計されており、単一の実装で複数のユーザー/ロール/ワークフローに対応する。これらのエージェントは、個々のユーザーに縛られるのではなく、多くのユーザーに代わってリクエストに応答し、タスクを自動化し、システム全体のアクションを調整する共有リソースとして機能する。この設計により、エージェントは組織全体に容易に導入され、拡張性も向上する。
エージェントがシームレスに機能するためには、共有サービス・アカウント/API キー/OAuth 権限付与を使用して、インタラクトするシステムとの認証を行う。これらの認証情報は、多くの場合において長期間有効で集中管理されているため、エージェントはユーザーの介入なしに継続的に動作する。エージェントが、摩擦を回避しながら、幅広いリクエストに対応できるようにする必要がある。そのため、多くのケースにおける権限は、単一のユーザーが必要とするよりも、多くのシステム/アクション/データをカバーするよう広く付与される。
このアプローチは利便性と適用範囲を最大限に高めるが、設計上の選択によっては、従来の権限の境界を迂回する強力なアクセス仲介者が、意図せずに作成される可能性がある。
従来のアクセス制御モデルの打破
前述の通り、組織のエージェントは、個々のユーザーに付与される権限よりも広範な権限で動作し、複数のシステム/ワークフローにまたがって動作する。これらのエージェントとユーザーがインタラクトする際は、システムに直接アクセスするのではなく、その代わりにエージェントが発行するリクエストが実行される。これらのアクションは、ユーザーではなくエージェントの ID で実行される。
これは、ユーザー・レベルで権限が適用される、従来のアクセス制御モデルを覆すものだ。アクセスが制限されたユーザーであっても、エージェントを経由するだけで、直接アクセスが許可されていないアクションを間接的にトリガーし、データを取得することが可能になる。ログと監査証跡は、アクティビティをリクエスト元ではなくエージェントに帰属させるため、明確な可視性/説明責任/ポリシーの適用を必要とせずに、このような権限昇格が発生する可能性がある。
組織エージェントはアクセス制御をひそかに回避できる
エージェント主導の権限昇格のリスクは、明白な悪用を引き起こすものではなく、日常的なワークフローの中で顕在化することが多い。たとえば、金融システムへのアクセスが制限されているユーザーが、組織の AI エージェントとインタラクトして、顧客実績の概要を作成するとする。より広範な権限を持つエージェントは、請求/CRM/財務プラットフォームからデータを取得し、ユーザーが閲覧する権限のないインサイトを返す。
別のシナリオでは、本番環境へのアクセス権限を持たないエンジニアが、AI エージェントにデプロイメントの問題を修正するよう依頼する。エージェントはログを調査し、本番環境のコンフィグを変更し、独自の昇格された認証情報を使用してパイプラインの再起動をトリガーする。ユーザーは本番システムに触れていないが、本番環境はエージェントにより変更される。
どちらの場合も、明示的なポリシー違反はない。エージェントは承認されており、リクエストは正当に見え、既存の IAM 制御が技術的に適用される。ただし、承認はユーザー・レベルではなくエージェント・レベルで評価されるため、アクセス制御は事実上バイパスされ、意図しない権限昇格が目に見えないかたちで発生する。
AI エージェント時代における従来型アクセス制御の限界
従来型のセキュリティ制御は、人間のユーザーとシステムとの間の直接アクセスを前提としているため、エージェントを介したワークフローには適していない。IAM システムはユーザーの ID に基づいて権限を付与するが、AI エージェントによってアクションが実行される場合には、リクエスト元の ID ではなくエージェントの ID に基づいて承認は評価される。その結果、ユーザー・レベルの制限は適用されなくなる。
ログ記録と監査証跡は、アクティビティをエージェントの ID に紐付けるため、アクションを開始したユーザーと、その理由が不明瞭になるため、問題は複雑化していく。エージェントの導入により、セキュリティ・チームによる制御は低下する。たとえば、最小限の権限の適用や、不正使用の検出では、アクセスの意図を確実に特定したりできなくなり、従来の制御はトリガーされずに、権限昇格が引き起こされる可能性がある。
また、アクションの真の実行主体の特定が困難なため、調査が複雑化し、インシデント対応が遅延し、セキュリティ・イベント発生時の意図や範囲の特定が難しくなる。
エージェント中心のアクセス・モデルにおける権限昇格の検出
組織の AI エージェントが、複数のシステムをカバーするかたちで運用責任を担うようになると、セキュリティ・チームにとって必要なことは、エージェントの ID のマッピング情報の明確な把握となる。それにより、機密データ/運用システムなどの重要な資産と、エージェントの関係が明確になる。
それぞれのエージェントを使用するユーザーの権限と、エージェントの広範なアクセス権限の間にギャップが存在することで、意図しない権限昇格パスが生じないよう、状況を把握することが不可欠だ。
このコンテキストがなければ、過剰なアクセスが隠され、対処されない可能性がある。また、時間の経過とともにアクセス権限が変化するため、セキュリティ・チームにとって必要なことは、ユーザーとエージェントの権限の変更の継続的な監視となる。この継続的な可視性は、導入される新たなエスカレーション・パスの悪用によるセキュリティ・インシデント特定するために不可欠となる。
Wing Security によるエージェント導入のセキュリティ確保
AI エージェントは、企業における最も強力なアクターへと急速に変貌し始めている。複雑なワークフローを自動化し、システム間を移動し、多くのユーザーに代わって機械の速度で動作する。しかし、エージェントが過度に信頼されると、その力は危険なものになる。広範な権限/共有利用/可視性の制限により、AI エージェントは気づかれずに権限昇格の経路やセキュリティの盲点となる可能性がある。
安全なエージェント導入には、可視性/ID ベースの権限認識/継続的な監視が不可欠だ。Wing が提供するのは、ユーザー環境内で動作している AI エージェントがアクセスする対象や、使用の状況を継続的に検出する能力である。
Wing は、エージェントのアクセスを重要な資産にマッピングし、エージェントのアクティビティとユーザーのコンテキストを関連付け、エージェントの権限がユーザーの承認を超えているギャップを検出する。
Wing を使用することで、組織は自信を持って AI エージェントを導入し、制御/説明責任/セキュリティを犠牲にすることなく、AI の自動化と効率性を実現できる。
AIエージェントが業務の自動化に欠かせない存在となる一方で、セキュリティ上の新たな課題が浮き彫りになっています。この問題の原因は、AIエージェントが個々のユーザーよりも広範な権限を持ち、かつ、ユーザーとシステムの仲介役として動作することにあります。従来のセキュリティ対策は、人間が直接システムを操作することを前提としていますが、AI を介すことで、AI 自身の権限で操作が行われているよう、システム側から見えてしまいます。そのため、本来は権限のないユーザーが AI に依頼するだけで、意図しない権限昇格が発生し、間接的な機密データへのアクセスや、システム設定の変更が可能になってしまいます。よろしければ、AI Agent での検索結果を、ご参照ください。
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