Agentic AI will Supercharge Cyber Threats. But Not in the Way You Think
2026/07/27 InfoSecurity — エージェント型 AI をめぐる議論の多くは、それにより生み出される可能性のある、新たな脅威に焦点を当てるものである。推論/計画/行動を起こすことが可能な自律型エージェントは、この技術を悪用するサイバー犯罪者が、何を引き起こし得るのかという懸念をもたらしている。しかし、John Eccleshare の考え方は、この議論の多くがセキュリティの要点を外しているというものだ。エージェント型 AI により、まったく新しいカテゴリのサイバー脅威が導入されるわけではない。本当のリスクは、既存の攻撃スタイルに対して高速性と持続性を与えることで、これまで以上に高度なものにする点にある。

サイバー犯罪の基本は、大きくは変わっていない。変わりつつあるのは、攻撃が進化する速度/攻撃が運用される規模/状況に適応する攻撃の巧妙さである。
何十年もの間、サイバー脅威は同じ基本原則に依存してきた。具体的には、弱点の探索/脆弱性の悪用/制御のバイパスを引き起こす方法を見つけ出すことである。さまざまなサイバー攻撃が、マルウェア/フィッシング/認証情報の窃取/ソーシャルエンジニアリングなどを通じて行われるとしても、根底にある目的は変わらない。
エージェント型 AI により変化するのは、それらの活動を実行する速度/規模/巧妙さである。
もはや攻撃者は、静的なスクリプトや予測可能な攻撃パターンに依存する必要がない。エージェント型のシステムは、自らの挙動を適応させ、アプローチを変更し、受け取った応答から学習し、直接的な人間の介入なしに攻撃の機会を継続的に探索していくことができる。その結果として生じるのは、脅威の圧力が周期的なものから持続的なものへと変化していく状況である。
映画 Jurassic Park には、ラプトルが境界フェンスを試し、弱点を繰り返し探す場面が描かれている。彼らは無作為に攻撃しているのではない。彼らは探索/学習/発見したことに応じて、自らの挙動を適応させている。これは、エージェント型 AI のサイバー面での影響を考えるうえで有用な見方である。
攻撃者たちは常にフェンスを試してきた。彼らは、隙間/弱点/ミスコンフィグ/アクセス獲得の機会を探し出してきた。歴史的に見て、それらの試行は周期的であることが多かった。攻撃者はシステムを探り、いったん離れ、後で戻り、アプローチを変える。
エージェント型システムは、その力学を完全に変容させるものだ。いまや、フェンスは継続的に試される可能性がある。あらゆる箇所が繰り返し探られる可能性がある。さまざまなアプローチがマシンスピードで試される可能性がある。ある経路が塞がれた瞬間に、別の経路が試される可能性がある。
脅威が根本的に異なるわけではない。持続性が異なるのだ。それは、防御側にとって重要な意味を持つ。
長年にわたり、ユーザー組織は時間の恩恵を受けてきた。発見された脆弱性が評価され、優先順位付けされ、最終的に修正される。従来は、露出から悪用までの間に、こうした猶予期間が存在していた。
その猶予期間は縮まり始めている。攻撃者が突然に賢くなったわけではない。継続的かつ大規模に、手作業では達成が難しいレベルの持続性をもって、活動できるようになっただけである。課題は、単に脆弱性を特定することではない。他者が特定する前に、それを特定し修正することである。
発見から悪用までの間隔が、数週間ではなく数時間で測られる環境で、セキュリティ・チームが活動することが増えている。幸いなことに、この状況は一方的なものではない。攻撃者が素早く動ける能力は、防御にも存在する能力である。
エージェント型 AI は、監視/検出/対応を改善するための大きな機会をもたらす。セキュリティ・チームは、インテリジェントなシステムを使用して環境を継続的に分析し、異常を特定し、潜在的な脆弱性を強調し、見落とされる可能性のあるリスクを表面化できる。
人間のチームとは異なり、エージェントはシフト制で働くわけではない。眠ることも、休憩を取ることも、次の優先事項へ移ることもない。システムを継続的に監視し、異常な活動が現れた時点で調査し、環境全体で何が起きているのかをリアルタイムで把握するための全体像を構築できる。
多くの意味で、これはセキュリティ運用が常に進化してきた方法を反映している。技術的進歩のたびに、防御側はより多くのシステムを監視し、より多くのデータを処理し、より迅速に対応できるようになってきた。エージェント型 AI は、その進展における次の一歩にすぎない。
これまでとの違いは、関与する自律性のレベルである。エージェントは指示を待つのではなく、潜在的な問題を能動的に調査し、コンテキストを収集し、人間のチーム向けに推奨事項を準備できる。
多くのケースにおいて、これらのツールは、人間の努力だけでは不可能なレベルの可視性と応答性を提供できる。ただし、マシンスピードの環境であっても、人間の判断は不可欠である。
サイバーセキュリティ上の判断は、ほとんどの場合において二者択一ではない。それらには、トレードオフ/コンテキストに加えて、目の前の技術的問題を超える結果が伴う。今後のシステムは、脆弱性を特定し、対応方針を推奨し、不審な挙動をフラグ付けするかもしれない。しかし、次に何をすべきかを決めるには、多くの場合、運用上の優先事項/ビジネスへの影響/リスク許容度を理解する必要がある。
それらの判断は、根本的には人間によるものであり続ける。エージェント型 AI が組織を支援するメリットは、脅威をより速く特定し、データをより効果的に分析し、より迅速に対応することにある。その反面、判断の必要性を取り除くことは不可能だ。今日のエージェント型 AI の真の価値は、まさに、ここにある。セキュリティ専門家を置き換えることではなく、その到達範囲を拡張することにある。
エージェントは夜間であっても、数千のシグナルを監視し、不審な挙動を特定し、イベントを相関させ、レビューに向けた調査結果を準備できる。翌朝に人間のチームは、自らの経験/判断/ビジネスへの理解を適用し、適切な対応を決定できる。
つまり、マシンは持続性を提供し、人間は判断を提供する。
それはエージェント型 AI の弱点ではない。そこにこそ、その最大の価値がある。サイバーセキュリティの未来は、人間とマシンの戦いではない。マシンスピードの攻撃と、マシンスピードの防御の戦いである。
エージェント型 AI が、変革をもたらすことに疑問の余地はない。すでにツールは急速に展開され、急速に進化している。本当の課題は、それに追いつけるだけのスピード感で、ユーザー組織が防御能力を進化させられるかどうかである。
エージェント型 AI が、攻撃の実行方法を変えていることは疑いようがないが、サイバーセキュリティの基本を変えるものではない。攻撃は、より速く、より持続的で、ますます高度になっている。
防御側にとっての成功は、技術的に追いつくことだけでなく、その技術を同じように賢く使うことに依存する。サイバーセキュリティにおいて、最も速く適応する組織こそが、安全を維持する組織であることが多い。
訳者後書:自動化された仕組みである Agentic AI が普及したことで、攻撃側が継続的に弱点を探せるようになっています。これにより、防御側の修正作業が遅れると侵入を許してしまう恐れが生じます。対策として、防御側も同様のシステムを取り入れて常時監視と迅速な一次対応を行わせながら、重要な最終決定は人間が担う運用体制を整えることが有効です。システムを安全に利用するためにも、自動化技術による支援を活用しながら適切な判断を行える環境を整備していく必要があります。
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