Facebook/Instagram/WhatsApp に大きな打撃:データ収集に関して EU の最高裁判所が厳しい判決

EU Court Deals Blow to Meta in German Data Case

2023/07/05 SecurityWeek — 7月4日 (火) に、EU の最高裁判所が Meta に対して不利な判決を下したことを受け、その子会社である Facebook/Instagram/WhatsApp は、ヨーロッパにおけるユーザー・データ収集方法の見直しを迫られるかもしれない。欧州司法裁判所 ECJ (European Court of Justice) は、ドイツの反カルテル監視団を支持する判決を下した。この反カルテル監視団は、反トラスト法を検討する際に、データ・プライバシー問題を取り込めると主張していた。この裁判の重要な争点のひとつは、Meta のプラットフォーム間に、データをリンクさせる能力があることだった。


ドイツの監視当局は、Meta が Facebook で収集した個人データと、Instagram や WhatsApp で収集した詳細情報を混在させることが、ドイツにおける支配的な市場地位の乱用にあたると主張していた。

この欧州裁判所は、EU の巨大なデータ保護規則 (GDPR) の下で調査を実施する、反カルテル事務所の権利の範囲内であると述べている。

反カルテル監視団の Head of the Anti-Cartel Watchdog である Andreas Mundt は、「この判決は、データ経済で使用されているビジネス・モデルに、広範囲な影響を与えるだろう」とツイートしている。

Meta 傘下の大手ハイテク企業に対する過去の判決と同じように、同裁判所は、米国企業が大量の個人データを収集するには許可が必要だと裁定し、Meta が提示していた各種の回避策を打ち消した。

その結果として Meta には、ヨーロッパでデータを収集するための、別の方法を見つけ出す必要が生まれそうだ。

Meta の広報担当者は AFP 通信に対し、「我々は裁判所の決定を評価しており、追って詳細を発表する予定だ」と述べている。

プライバシー保護運動団体 noyb は、この判決を歓迎し、Meta が GDPR を回避できないことが、改めて明確になったと述べている。

同グループの Max Schrems が、「これにより、Meta は適切な同意を求めなければならなくなった。つまり、その支配的な立場を利用して、人々が望まないことに同意するよう、強制することはできなくなる」と述べている。

この判決は、同じような広告技術ビジネス・モデルを持つ、Google などの大手プラットフォームをも危険にさらす可能性がある。

つい先日の 2023/07/04 には、「Google Analytics の利用は GDPR 違反:スウェーデン企業に $1M の罰金」という記事で、Google Analytics を利用したスウェーデンの企業が罰せられるという事件が報じられていました。そして、2023/05/22 の「Facebook の GDPR 違反と $1.3 B の罰金:米国へのデータ転送により最高額に!」で報じられていた Meta に対して、厳しい判決がくだされましたが、同社には争う方針はないようです。