MOVEit Transfer ハッキング:米大手の自動車用品チェーンで被害が発生

Automotive Parts Giant Autozone Disclosed Data Breach After Moveit Hack

2023/11/23 SecurityAffairs — AutoZone は、自動車用の部品と付属品と取り扱う、米国最大のアフターマーケット小売業者の一社であり、米国内/メキシコ/プエルトリコ/ブラジルなどに 7,140店舗を展開している。その AutoZone が、MOVEit Transfer ハッキングに起因する、データ侵害を公表した。大規模な MOVEit ハッキング・キャンペーンに遭遇した同社は、184,995人に対して個人情報が漏洩したことを通知している。

AutoZone は、「無許可の第三者が、MOVEit に関連する脆弱性を悪用し、当社のアプリケーションをサポートする AutoZone システムから、特定のデータを流出させたことを認識している。顧客情報が影響を受けた可能性を判断するために、影響を受けたシステムと関連データの分析を行った。より具体的に言うと、MOVEit アプリケーションの脆弱性の悪用により、特定のデータが流出したと判断したのは、2023年8月15日頃である。その分析に基づき、顧客の情報の一部が、それらのファイルに含まれていると判断した」と、メイン州司法長官に報告している。

AutoZone は、流出した個人情報の悪用について認めていないが、詐欺やなりすましに引き続き注意するよう、ユーザーに勧告している。このインシデントを受け、同社は MOVEit アプリケーションを一時的に無効にし、影響を受けたシステムを再構築し、脆弱性にパッチを適用するなどの措置を講じたとしている。さらに、影響を受けた顧客に対して、クレジット・モニタリングと個人情報保護サービスを無料で提供している。

専門家によると、一連の MOVEit 攻撃により、約 1,000の組織と 60,144,069人の個人に影響が生じたという。脆弱性 CVE-2023-34362 をゼロデイとして悪用する、Cl0p ランサムウェア・ギャングは、世界中の組織が使用するプラットフォームをハッキングし、データを盗み出している。このデータは、Cl0p グループにより管理されているリークサイトおよび、各州の違反通知や、SEC 提出書類などに由来する、2023年8月25日の時点のものである。

Emsisoft は、この攻撃が数千万人の個人に影響を与えたと報告している。以下は、影響を受けた個人数が最も多い組織のリストである:

組織名 顧客数
Maximus 11 million
Pôle emploi 10 million
Louisiana Office of Motor Vehicles 6 million
Colorado Department of Health Care Policy and Financing 4 million
Oregon Department of Transportation 3.5 million
Teachers Insurance and Annuity Association of America 2.6 million
Genworth 2.5 million
PH Tech 1.7 million
Milliman Solutions 1.2 million
Wilton Reassurance Company 1.2 million

Emsisoft のレポートには、「既知の被害者の分布は、米国を拠点とする組織が 83.9% で、ドイツが3.6%、カナダが 2.6%、英国が 2.1%を占めている。最も大きな影響を受けたセクターは、金融や教育などの専門サービスであり、それぞれが 24.3% と 26.0% を占めている」と記されている。

さらに、サイバー。セキュリティ企業 Resecurity の研究者も、Emsisoft が共有したデータを確認し、独自の報告書を発表した。8月23日の時点で Resecurity は、MOVEit キャンペーンが、公共/民間セクターの 963 組織を攻撃したと報告している。

Resecurity は、「最も影響を受けたセクターは、金融/教育などの専門サービスであり、これらのセクターを合わせると、報告された被害者の 48% 以上を占めることになる。Cl0p は、$75〜$100 mm の身代金支払いを生み出すと推定され、史上重大のサイバー攻撃となっている」とレポートしている。