OpenSSL 3.2.0 がリリース:新たな暗号化アルゴリズムなどがサポート

OpenSSL 3.2.0 released: New cryptographic algorithms, support for TCP fast open, and more!

2023/11/27 HelpNetSecurity — OpenSSL は、汎用暗号と安全な通信のための、フル機能のツールキットである。その OpenSSL の、最新バージョン 3.2.0 がリリースされた。

OpenSSL 3.2.0 の主な変更点

この OpenSSL 3.2.0 のリリースでは、以下の重要な変更点が組み込まれているが、その中には互換性のないものもある:

  • デフォルトの SSL/TLS セキュリティ・レベルが 1 から 2 に変更された。
  • x509/ca/req アプリは常に X.509v3 証明書を生成するようになった。
  • X.509 オブジェクトのサブジェクト名または発行者名がデフォルトで UTF-8 文字列として表示されるようになった。

このリリースでは、以下の新機能が追加された:

  • マルチストリーム (RFC 9000) のサポートを含む、クライアント側 QUIC のサポート。

  • Ed25519/Ed448 の既存のサポートに加えて、Ed25519ctx/Ed25519ph/Ed448phをサポート (RFC 8032)。

  • 決定論的 ECDSA 署名のサポート (RFC 6979)。

  • AES-GCM-SIV/nonce-misuse-resistant AEAD のサポート (RFC 8452)。

  • スレッドプール機能をサポートする Argon2 KDF のサポート (RFC 9106)。

  • Hybrid Public Key Encryption (HPKE) のサポート (RFC 9180)。

  • SM4-XTS のサポート。

  • TLS 1.3 における Brainpool カーブのサポート。

  • TLS Raw Public Keys (RFC 7250) のサポート。

  • Linux/macOS/FreeBSD における TCP Fast Open のサポート (有効化されサポートされている場合) (RFC 7413)。

  • zlib/Brotli/zstd のライブラリ・サポートを含む、TLS 証明書圧縮のサポート (RFC 8879)。

  • CMS と X.509 機能をサポートする、TLS 1.3 におけるプロバイダー・ベースのプラグイン可能な署名アルゴリズムのサポート。適切なプロバイダーを使用することで、ポスト量子における量子安全暗号の使用が可能になる。

  • 信頼されたルート証明書のソースとして、Windows システム証明書ストアの使用をサポート。現時点では、デフォルトでは有効化されていないため、環境変数を使用して有効化する必要がある。将来のリリースにおいて、デフォルトで有効化される可能性が高い。

  • TLS 暗号スイート構成で IANA 標準名を使用できるようになった。

  • CMP プロトコルのサポートに関する複数の新機能と改善。

OpenSSL 3.2.0 は、ベンダーサイト、または、GitHub からダウンロードできる。

OpenSSL における次期バージョン OpenSSL 3.3 であり、2024年4月30日までにリリースされる予定だ。このリリースには、QUIC サーバのサポートが含まれる予定だ。