Microsoft Teams のユーザー・ロケーション特定機能:組織内の Wi-Fi を活用して自動的に検出

Microsoft Teams to Auto-Detect Work Location Using Company Wi-Fi

2025/06/27 gbhackers — Microsoft が Teams について発表した内容は、組織の Wi-Fi ネットワークに接続したユーザーの勤務場所を、自動的に検出/設定をする新機能を導入する予定に関するものだ。それにより、ハイブリッド・ワークプレイスにおける、 エクスペリエンスの効率化に向けた大きな前進が始まるという。2025年9月上旬には、この機能の一般への提供の開始が予定されており、Windows/Mac のデスクトップ ・ユーザーが利用できるようになる。

この機能により従業員は、Teams における勤務場所のステータスを、手動で更新する必要がなくなる。ハイブリッド・ワーク環境やフレキシブル・ワーク環境において、このプロセスは混乱を引き起こし、非効率につながることが報告されている。

機能の仕組み

Microsoft のレポートによると、IT 管理者が、この機能を有効にし、適切に設定することで、Teams ユーザーのデバイスが組織内の Wi-Fi ネットワークに接続した直後に、そのユーザーの勤務場所が自動的に更新され、作業している屋舎などを反映できるようになるという。

このシステムでは、建物名と Wi-Fi ネットワークのマッピングが活用されるため、組織の敷地内における正確な位置特定が可能になる。さらに Teams は、モニターなどの周辺機器への接続を活用することで、位置情報の精度を高めることができるという。

ただし、この自動化は、Microsoft Outlook カレンダーで設定された、ユーザーの勤務時間内だけに機能するように設計されている。勤務時間外のユーザーが Wi-Fi に接続しても、Teams はユーザーの位置情報を更新せず、設定された位置情報は勤務終了時に消去される。

デフォルトでは、この勤務場所の自動検出はオフになっている。この機能を有効化するためには、Teams デスクトップ・クライアント内で、ユーザーが明示的に同意する必要がある。それにより、プライバシーに関する懸念事項への対応が確保される。

この機能の有効化を、ユーザーに代わって管理者が設定することは不可能であり、また、位置情報の共有はユーザーごとにコントロールされる。

この新機能には、いくつかのメリットが期待されている:

  • コラボレーションの強化:オフィス内における従業員の所在を、相互に確認できるため、スケジュール管理や自発的なコラボレーションの機会が向上する。
  • 手動更新の削減:位置情報ステータスの自動化により、手動更新の負担が軽減され、エラーやコミュニケーション・ミスが減少する。
  • リソース管理の改善:正確な位置情報データは、オフィス・スペースとリソースを、組織が最適化する際に役立つ。

ただし、プライバシーの維持と、自動化への同意に関しては、明確なコミュニケーションとトレーニングを提供し、混乱を回避していくことを推奨する。従業員の中には、追跡されることに懸念を抱く人もいるため、データの使用方法に関する透明性が重要になる。

この機能は、2025年9月上旬にグローバル展開を開始し、9月中旬までに完了する予定とのことだ。

IT 管理者に対して推奨されるのは、Wi-Fiネットワークと建物のマッピングを行い、社内ドキュメントを更新することで、この自動化のために準備を進めることだ。その展開に先立ち、Microsoft はガイダンスとドキュメントを提供するという。

ハイブリッド・ワークが進化し続ける状況において、Microsoft Teams による勤務場所の自動検出の機能は、自動化/プライバシー/ユーザー連携のバランスを取りながら、現代の組織のニーズに配慮した対応となっている。