curl の 8.15.0 が登場:269回目のリリースで 233件のバグと不具合を修正

Curl 8.15.0 Officially Released: 233 Bugs Fixed in Major Update

2025/07/16 gbhackers — URL を用いてデータを転送する、汎用的な CLI ツール/ライブラリである curl が公表したのは、233 件のバグ修正と内部アーキテクチャの合理化を経た、画期的なリリースであるバージョン 8.15.0 への到達である。2025年7月16日 10:00 CEST (08:00 UTC) に、Twitch 上のライブ・ストリームで正式発表された今回のバージョンは、curl プロジェクトの 269 回目のリリースであり、安定性/パフォーマンス/コミュニティ協調への継続的な取り組みを示すものとなっている。

これまでの長期的な開発サイクルから転換した curl だが、今回の 8.15.0 においては、短縮された 4〜6 週間のスケジュールを採用している。こうして、開発のペースが加速しているが、メンテナーたちは 233 件のバグを特定して修正した。つまり、42 日間というスプリント期間中において、1 日あたり平均で6 件を修正するというペースに相当し、すべての curl バージョンにおける文書化されたバグ修正件数は、12,200 件を超えるに至った。

今回のマージ・トラッカーに記録された、新規の変更は 1 件のみであったが、開発者は既存機能の強化と廃止コードの削除に注力してきた。このリリースにおける最も重要な変更の1つが、Apple の Secure Transport API と BearSSL のサポート廃止である。

これらのバックエンドを非推奨とすることで、curl プロジェクトはメンテナンスの負荷を軽減している。その一方で、ユーザーに対して推奨されるのは、堅牢で広く検証された OpenSSL/Secure Channel on Windows や、その他の主要な TLS プロバイダへの統一の促進である。

今回の 8.15.0 では、新たな public libcurl 関数/curl_easy_setopt オプション/コマンドライン・フラグは追加されていないが、現時点でプロジェクトが提供し続けているものには、96 の公開 API/308 の easy_setopt オプション/269 の CLI スイッチなどがある。

新たな機能が追加されないことが示すのは、信頼性や成熟度が優先されたことだ。なお、今回のリリースにはセキュリティ・パッチが含まれず、最後の脆弱性修正は 8.14.4 が対応している。

この戦略的な整理により、ビルド・プロセスの簡素化と、条件付きコードの削減が達成されたことで、将来のバージョンにおいては、レガシー互換性の負担を負うことなく、最先端のセキュリティ対策を採用できるようになる。

この 8.15.0 へのコントリビューション統計が浮き彫りにするのは、curl コミュニティの活気である。57 人のコントリビューターのうちの 29 人は、コードベースに初めて参加する人々だった。その一方で、37 人のオーサーが変更をコミットしており、そのうち 16 人は、このサイクルで新たにプロジェクトに参加した人々だ。合計で 334件のコミットが寄せられ、curl リポジトリの累積変更数は 35,572 件に達し、品質は継続的に向上し続けている。

すべての対応プラットフォーム向けに、今回の curl 8.15.0 は公開されている。ユーザーおよび開発者に対して強く推奨されるのは、これらの安定性向上を享受するため、速やかにアップグレードすることである。フルソース/パッケージ/バイナリ/変更履歴については、公式サイトにて確認が可能となっている。

バグ修正とコードの簡素化に注力し続ける curl は、ネットワーク・エンジニアや開発者にとっての、堅牢なツール・セットとしての評価を、さらに確かなものにしている。