LastPass が ClickFix 攻撃を警告:GitHub を介して Mac ユーザー標的の偽ソフトを配布

LastPass: Fake password managers infect Mac users with malware

2025/09/22 BleepingComputer — MacOS ユーザーを標的とし、不正な GitHub リポジトリを通じて人気製品を装う悪質なソフトウェアを配布するキャンペーンについて、LastPass が警告している。具体的に言うと、それらの偽アプリは、Google/Bing などの検索エンジン最適化 (SEO) 戦略で宣伝され、ClickFix 攻撃を通じて Atomic (AMOS) 情報窃取マルウェアを配信している。

月額 $1,000 で提供される AMOS は Malware as a Service (MaaS) であり、感染させたマシン上のデータを標的とするものだが、最近ではバックドア・コンポーネントが追加されている。それにより、攻撃者は侵害したシステムに対して、ステルス的なアクセスを持続できるようになっている。

LastPass によると、このキャンペーンでは同社の製品だけではなく、1Password/Dropbox/Confluence/Robinhood/Fidelity/Notion/Gemini/Audacity/Adobe After Effects/Thunderbird/SentinelOne などの、100 以上のソフトウェア・ソリューションが偽装されている。

Malicious Google Search result
Malicious Google Search result
Source: LastPass

この攻撃者は、複数アカウントから多数の偽装 GitHub リポジトリを作成し、削除を回避しながら、検索結果で上位表示されるようにしている。

The unofficial GitHub repository claiming affiliation with LastPass
GitHub repository claiming affiliation with LastPass
Source: LastPass

これらのリポジトリには、Download ボタンが設置されており、訪問者は別サイトに誘導される。そこで促されるのは、ターミナルにコマンドを貼り付けてのインストールの実行である。つまり、被害者がコマンド内容を理解していないことを悪用する、典型的な ClickFix 攻撃が展開されている。

Page hosting the ClickFix instructions
Page hosting the ClickFix instructions
Source: LastPass

実際のところ、このコマンドは base64 でエンコードされた URL に対して curl リクエストを実行し、AMOS ペイロード (install.sh) を “/tmp” ディレクトリにダウンロードする。

Apple コンピュータを標的とした ClickFix 攻撃は珍しくない。以前にも BleepingComputer は、Booking.com を装う同様のキャンペーンを報じており、最近では MacOS 固有の問題に対する、偽のソリューションを宣伝する広告も確認されている。

LastPass はキャンペーンを監視し、偽リポジトリを GitHub に報告しているが、新規アカウントによる自動化により、新たな偽リポジトリが容易に作成される状況にあるという。ClickFix 攻撃を回避するために、ユーザーが避けるべきことは、システム上での理解できないコマンドの実行である。

オンラインでソフトウェアを探す際は、ベンダーまたはプロジェクトの公式 Web サイトを信頼すべきである。MacOS 版が存在しない場合には、非公式版は偽物である可能性が高い。

MacOS への移植版のケースでは、コミュニティにより検証された信頼できるベンダーから提供されていることを、ユーザーは確認する必要がある。