Dependency-Track という SBOM 支援ツール:API ファースト・アーキテクチャで CI/CD に統合

Dependency-Track: Open-source component analysis platform

2025/10/27 HelpNetSecurity — 現代的なソフトウェアはサードパーティ製コンポーネントの集合体であり、内部で何が動作しているのかを恒常的に把握することは難しい。この課題の根幹に対して、オープンソース・プラットフォーム Dependency-Track が取り組んでいる。その手法は、一度限りのスキャンで構成を把握するのではなく、すべてのアプリケーションとバージョンを監視し続けるものだ。それによりユーザー組織は、ポートフォリオ全体のリスクをリアルタイムに可視化できる。

具体的には、Software Bills of Materials (SBOM) を活用することで精度と洞察力を両立する。開発者を中心に設計された、Dependency-Track の API ファースト・アーキテクチャは CI/CD ワークフローに統合され、ビルド・プロセスの中核にセキュリティを組み込むものだ。

Dependency-Track の機能

Dependency-Track は CycloneDX とシームレスに連携し、SBOM および VEX 形式の読み込みと生成を実行することで、サプライチェーン・セキュリティ標準との互換性を確保する。

このプラットフォームは、あらゆる種類のコンポーネントをサポートする。具体的には、アプリケーション/ライブラリ/オペレーティングシステム/コンテナ/ファームウェアに加えて、ハードウェアに至るまでをサポートし、組織のポートフォリオ全体における使用状況を追跡する。

Dependency-Track

IT 部門のタスクは、既知の脆弱性の特定だけに留まらない。古いコンポーネントや改変されたコンポーネントを検出し、ライセンス・リスクへのフラグ付けも行う。さらには、NVD/GitHub Advisories/Sonatype OSS Index/Snyk/Trivy/OSV/VulnDB など複数のインテリジェンス・ソースから脆弱性データを収集する。そこに Exploit Prediction Scoring System (EPSS) を統合することで、悪用される可能性の高い脆弱性に対して、セキュリティ・チームは優先的に対応できるようになる。

このプラットフォームに搭載されるポリシー・エンジンにより、セキュリティ/ライセンス/運用コンプライアンスに関するグローバル・ルールや、プロジェクト単位のルールを適用できるようになる。

また、特定の依存エコシステムに縛られることなく、たとえば Maven/NPM/PyPI/NuGet/Cargo などの一般的なリポジトリをサポートするほか、API や外部サービス・コンポーネントを検出することでデータフローおよび信頼境界をマッピングする。

Dependency-Track の監査ワークフローはトリアージを簡素化し、Slack/Microsoft Teams/Jira/Mail/Webhook などを通じて通知をカスタマイズできる。プロジェクトやポートフォリオ全体にわたってメトリクスを明確に可視化し、Kenna Security/Fortify SSC/ThreadFix/DefectDojo などのツールとの統合により、既存ワークフローへの適用範囲を拡張する。

API ファースト設計/OpenAPI ドキュメント/OAuth 2.0/OpenID Connect/LDAP/API キーのサポートを備える Dependency-Track プラットフォームは、柔軟性と拡張性を重視して構築されている。

Dependency-Track は GitHub から無償で入手できる