OpenAI が Mixpanel 関連のインシデントを公表:氏名/メールアドレス/OS 情報などが漏洩

OpenAI Discloses Mixpanel Data Breach – Name, Email Address and Operating System Details Exposed

2025/11/27 CyberSecurityNews — OpenAI が公表したのは、API 製品のフロントエンドである “platform.openai.com” の活動を監視するために、以前に使用していたサードパーティ分析プロバイダ Mixpanel に関連するセキュリティ・インシデントである。2025年11月9日に Mixpanel が検知したのは、自社システムへの不正なアクセスがあり、一部の OpenAI API ユーザーの識別情報を含む分析データがエクスポートされたことだった。

OpenAI による発表では透明性が強調され、この侵害により OpenAI 自身のシステム/チャット内容/API キー/パスワード/認証情報/支払い情報が侵害されなかったことがユーザーに説明されていた。

調査結果

Mixpanel は OpenAI に状況を通知し、OpenAI は内部調査を開始した。Mixpanel が影響を受けたデータセットの詳細を OpenAI が確認したのは、2025年11月25日のことだった。

特筆すべきは、影響を受けた可能性があるのは API プラットフォーム (platform.openai.com) のユーザーのみであり、ChatGPT などの他の OpenAI 製品のユーザーは影響を受けていない点である。

漏洩した情報は、OpenAI API アカウントに登録された氏名/メールアドレス/ブラウザ情報に基づくおおよその所在地 (市・州・国) /使用 OS とブラウザ/参照元 Web サイト/アカウントに紐づく組織 ID またはユーザー ID である。その一方で、チャットの内容や API コンテンツ/パスワード/決済情報/政府発行 ID の漏洩はなかった。

OpenAI はインシデントの発覚後に、Mixpanel を本番環境から削除し、影響を受けたデータセットを徹底的に調査した。また、影響の可能性がある全組織とユーザーに対して直接通知を行った。

OpenAI は声明で、Mixpanel のシステム外でデータが不正使用された証拠は見つかっていないと述べているが、悪用の有無を確認するための積極的な監視を続けているという。さらに同社は、Mixpanel との契約を終了し、全ベンダー・パートナーに対して追加のセキュリティ・レビューを実施し、セキュリティ基準を全面的に引き上げている。

このインシデントには、氏名やメールアドレスなどの情報が関連するため、ユーザーにとって必要なことは、フィッシングやソーシャル・エンジニアリング攻撃への警戒である。特に、予期せぬメールやメッセージに注意し、さらにリンクや添付ファイルにも注意すべきである。OpenAI を名乗る通信が、公式ドメインから送信されたものであることを必ず確認すべきだ。

OpenAI がメールやチャットを介して、パスワード/API キー/認証コードを要求することは絶対にない。追加の保護策として、OpenAI アカウントで多要素認証 (MFA) を有効にすることが推奨される。また、OpenAI は、こうした事象について今後もオープンに情報発信を行い、プライバシー/セキュリティ/透明性に取り組んでいくと表明している。