AWS Middle East (UAE) リージョンへのドローン攻撃:109 を超えるサービスの停止と性能劣化

AWS Middle East (UAE) Region Hit by Drone Strikes, 109 Services Disrupted

2026/03/05 CyberSecurityNews — アラブ首長国連邦 (UAE) およびバーレーンに所在する、Amazon Web Services データセンター施設への一連のドローン攻撃により、同社のクラウドの歴史における最も深刻な障害が発生した。2026年3月1日以降に、ME-CENTRAL-1 リージョンにおいて 109 を超えるサービスが停止または性能劣化し、数千のエンタープライズ顧客が数日間にわたりワークロード移行を余儀なくされた。

このインシデントは、3月1日の午前 4時30分 (PST) 頃に発生した。UAE 内の AWS Availability Zone である mec1-az2 が、”物体” と AWS が表現する攻撃を受け、データセンター内部で閃光と火災が発生した。

現地の消防当局は消火活動のために、施設および発電設備の電源を遮断した。当初、AWS は本件を局所的な電源の問題と説明し、原因については抑制的な姿勢を取った。

3月2日の午後4時19分 (PST) に AWS は、より広範なインシデントであることを認めた。ME-CENTRAL-1 リージョン内の UAE 施設の 2 箇所が、ドローン攻撃を直接受け、さらに AWS Middle East (バーレーン) リージョン (ME-SOUTH-1) の 1 施設も、近接爆発により損傷したと、AWS は発表した。この攻撃について AWS は、中東における継続中の紛争に起因すると説明した。

この攻撃により、構造的な損傷が引き起こされ、電力供給が妨害された。一部の施設では、消火システムが作動し、水損害も発生した。

Amazon のステータス更新によると、mec1-az2 への最初の攻撃から数時間後に、2 つ目の Availability Zone である mec1-az3 も停止した。結果として、mec1-az1 のみが部分的に稼働する状態となった。

3 つの AZ (Availability Zone) のうち、2 つが同時に機能障害を起こしたことで、単一 AZ 全損失に耐える設計の Amazon S3 リージョン冗長性は限界を超え、データの書き込みと取得の両方で高い失敗率が発生した。

影響を受けたサービスと連鎖的な影響

この障害は、AWS サービス・スタック全体へ急速に波及した。ピーク時には ME-CENTRAL-1 リージョン内 109 サービスに影響が及び、25 サービスが完全停止、34 サービスが性能劣化という状況に陥った。

ServiceStatusImpact
Amazon S3DisruptedHigh PUT/GET/LIST failure rates
Amazon DynamoDBDisruptedElevated error rates, write/read failures
Amazon EC2DisruptedInstance launches throttled region-wide
AWS LambdaDisruptedDependent on S3/DynamoDB recovery
Amazon KinesisDisruptedCascaded from foundational service failure
Amazon CloudWatchDisruptedMonitoring degraded
Amazon RDSDisruptedDatabase availability impaired
AWS Management ConsoleDisruptedPartial operational; page errors persisted

この影響は、クラウド基盤を超えて、UAE 国内の消費者向けアプリケーションにも波及した。配車/配送プラットフォーム Careem や、決済サービス Alaan/Hubpay は、AWS 基盤障害に直接起因するサービス中断を報告した。それが浮き彫りにするのは、地域経済がハイパースケール・クラウドへ深く依存していることである。

AWS は、物理的な復旧とソフトウェア・ベースの緩和策を並行して実施した。この暫定的な対策により、部分的であってもサービスの可用性を、完全な復旧前に回復させることが試行されている。

Amazon S3 では、劣化インフラ条件下で動作するアップデートが展開された。DynamoDB では、障害テーブルの修復を進め、下位サービスの Read/Write 可用性の回復が図られた。

3月3日の午前8時14分 (PST) 時点では、S3 の PUT/LIST 操作の改善が続いていると報告された。新規の書き込みオブジェクトは取得可能となったが、既存データの GET 操作は物理インフラの復旧に依存することになる。EC2 インスタンスの起動は制限され、DynamoDB エラー率は高止まりしている。

すべての更新サイクルにおいて、AWS は強い勧告を発出している。影響を受けた顧客に対して、災害復旧計画の即時実行/他リージョンからのバックアップ復元/ME-CENTRAL-1 からのトラフィック切替を求めている。代替リージョンとして推奨されるのは、米国/欧州/アジア太平洋リージョンであり、レイテンシおよびデータに居住要件に基づく選択を求めている。

このインシデントが、業界内で緊急の議論を再燃させている。紛争地域におけるクラウド・インフラのレジリエンスと地理的な集中リスクについて、特に地政学的に不安定な環境で事業を行う企業における、マルチリージョン・アクティブ/アクティブ構成の必要性が問われている。