Notepad++ プラグインを侵害する脅威アクター:WinRAR/7-Zip などの古い脆弱性を悪用

Hackers Abuse Notepad++ Plugins to Compromise Your System Silently

2026/07/23 CyberSecurityNews — 正規の Notepad++ プラグインをハイジャックした脅威クラスター UAC-0099 が、被害者のマシンへ密かにマルウェアを植え込むという、ステルス性の高い新たなキャンペーンが確認された。この攻撃は、2026年における同グループの戦術の重大な進化を示している。

Ukraine の CERT-UA が発見した感染は、画像を添付したフィッシング・メールから始まる。その画像は、”Attachments to розпорядження.zip” といった ZIP アーカイブをホストするファイル共有プラットフォームに、URL 短縮サービスを経由してリンクしている。

内部には、PDF に偽装された二重拡張子の VBS スクリプトが含まれている。多くのケースにおいて、実際の “.vbs” 拡張子の前に余分なスペースが挿入され、不注意な読者を騙すようになっている。

ハッカーが Notepad++ プラグインを悪用

このスクリプトが起動されると、デコイ文書と “Evernote.zip” パッケージを取得する。このパッケージには、Notepad++ 8.8.3 の完全なコピーと、トロイの木馬化されたプラグイン・フォルダが含まれている。


本当の危険は “/plugins/NppExport/” の中に隠れており、”NppExport.dll” という不正なライブラリが、正規のプラグイン・ファイルを置き換える。この VBS スクリプトは “%PUBLIC%” 配下にランダム化されたディレクトリを作成し、アーカイブを展開し、”notepad++.exe” を実行する。エディタが起動した瞬間に、改竄された DLL が自動的にロードされるため、攻撃者は典型的なセキュリティ・アラートを発火させることなくコード実行を得る。

この Notepad++ のプラグイン・ロード挙動の悪用は、バージョン 8.8.3 に影響するものであり、以前に公表された CVE-2025-56383 DLL hijacking の問題を想起させる。ただし CERT-UA が指摘するのは、この CVE に異議を唱える Notepad++ チームが、欠陥ではなく標準的なプラグイン・アーキテクチャだと述べている点だ。

悪意の “NppExport.dll” は LUNCHPOKE として追跡されている。このツールは隠し Libraries フォルダを作成し、”RemoteLibUpdater.exe” と “InitTest.dll” を取り込み、パスワードで保護された “updater.rar” を展開する。その後に、永続化を設定するために、Windows 自身の “schtasks.exe” をコピーする。

それにより、ランダム化された名前でスケジュール・タスクが登録され、”setup nodisplay” という引数を持つ “RemoteLibUpdater.exe” が 3 分ごとに再起動される。


“RemoteLibUpdater.exe” は BURNYBEAR と分類されており、その役割は “InitTest.dll” のロードにある。興味深いことに、BURNYBEAR が想定された引数なしで実行されると、RAM と CPU を意図的に消費するリソース枯渇ルーチンへ切り替わる。そこから推測されるのは、組み込みのアンチ分析またはデコイ・メカニズムの可能性である。

“InitTest.dll” は、アップグレードされた MATCHBOIL.V2 loader であることが判明した。この旧バージョンは、MATCHWOK や DRAGSTARE などのマルウェアと一緒に、以前の UAC-0099 キャンペーンで確認されていたものである。

今回の新バージョンも、スケジュール・タスクによる永続化/コマンド&コントロール・アドレスを含むコンフィグ更新/追加ペイロードのダウンロードといった中核機能を保持している。その一方で、ダウンロード済みコンポーネントを展開するために、WinRAR を活用する仕組みを機能させている。したがって、標的システムに WinRAR がインストールされていない場合は、Dropbox からの取得が実行される。

防御側への要点
ComponentRole
LUNCHPOKE (NppExport.dll)Trojanized plugin, initial payload dropper
BURNYBEAR (RemoteLibUpdater.exe)Loader for MATCHBOIL, resource-exhaustion fallback
MATCHBOIL.V2 (InitTest.dll)Persistence, C2 config updates, secondary payload delivery

CERT-UA が管理者に対して強く推奨するのは、一般的なソフトウェアをパッチ適用済みの状態に保つことである。この脅威クラスターは、初期侵害のために古いインストール環境を日常的に悪用している。2026年7月21日の時点で、現在の安全なバージョンとして挙げられるのは WinRAR 7.23/7-Zip 26.02/Notepad++ 8.9.7 であり、エンタープライズ環境全体で直ちに確認すべきである。

ユーザー組織にとって必要なことは、政府や自治体の通信に言及する予期しない ZIP 添付ファイルを、強い疑いをもって扱うことである。また、アプリケーション/プラグインのディレクトリ内にある不正な DLL を監視し、ランダム化された名前や異常な命名パターンを持つスケジュールタスクを、継続中の UAC-0099 キャンペーンの潜在的な指標としてフラグ付けすべきである。