CVE-2023-50378: Apache Ambari Stored Cross-Site Scripting Vulnerability
2024/03/01 SecurityOnline — Hadoop クラスタの複雑な管理を簡素化するツールである Apache Ambari に、蓄積型 XSS (Cross-Site Scripting) の脆弱性 CVE-2023-50378 が発見された。この脆弱性が悪用されると、エントリー・ポイントが、攻撃者により予期せぬものに改ざんされる可能性がある。

Apache Ambari とは
Hadoop クラスターの管理者であれば、Ambari を知っているだろう。この便利なツールは、ユーザー・フレンドリーなインターフェイスを提供しており、デプロイ/監視/メンテナンスなどの Hadoop の複雑な管理を、大幅に簡素化してくれる。同ツールの Web インターフェースと強力な REST API により、クラスタの健全性を監視することが可能になるのだ。

XSS 脆弱性とは
CVE-2023-50378 (脅威度:Important) は、Ambari が受信したデータが、適切にフィルタリングされていないことに起因する。この脆弱性の悪用に成功した攻撃者は、悪意のコード (通常は JavaScript の形式) を、想定外の場所に紛れ込ませることを可能にする。そのコードに、正規のユーザーがアクセスすると、悪意のコードは実行されてしまう。
悪意のシナリオ
XSS 脆弱性は、一見すると無害なものに思えるかもしれない。しかし、悪用に成功した攻撃者には、以下のような悪意のアクションを実行する可能性が生じる:
- 機密データの窃取:攻撃者は、情報の宝庫であることが多い Hadoop クラスタへのアクセスが可能になる。
- セッションのハイジャック:攻撃者は、セッション・クッキーを盗み出し、強力な権限を持つ正規の Ambari アカウントを乗っ取る可能性を持つ。
- 被害の拡大:Hadoop ネットワーク内にマルウェアを注入し、より大規模な攻撃への足がかりとする可能性がある。
解決策は、早急にアップグレードすること!
幸いなことに、Apache チームは Ambari バージョン 2.7.8 で、この脆弱性にパッチを適用している。最優先事項は、ただちに Ambari をアップグレードすることだ。
警戒を怠らない:Ambari を超える XSS 脆弱性
この脆弱性の発見が浮き彫りにするのは、入力検証がきわめて重要であるという点だ。XSS の脆弱性は、Ambari 以外にも、多くの Web アプリケーションに潜んでいる。システムを守るためには、下記の対策が推奨される:
- 定期的なソフトウェア・アップデートの実施:新たに発見されたセキュリティ脆弱性には、パッチで対処されているケースが多い。
- 開発者たちの教育:Web アプリケーションを開発している開発者たちに安全なコーディング方法を教え、このような欠陥の発生を防ぐ。
- WAF (Web Application Firewalls) の導入を検討:悪意のトラフィックをフィルタリングする WAF を導入することで、防御のレイヤーを増やすことができる。
つい先日の 2024/02/27 にも、「Apache Ambari の脆弱性 CVE-2023-50379 が FIX:直ちにアップデートを!」という記事をポストしています。もしかすると、アップデートの優先順位や難易度の違いなどにより、別々に公表されたのかもしれません。ご利用のチームは、お気をつけください。よろしければ、Apache で検索も、ご利用ください。
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