Google のサードパーティー Cookie 廃止:英国当局との調整のために再延期?

Google Postpones Third-Party Cookie Deprecation Amid U.K. Regulatory Scrutiny

2024/04/25 TheHackerNews — Privacy Sandbox イニシアチブをめぐって発生している、英国の規制当局との未解決の懸念に対処している Google だが、Chrome の サードパーティ・トラッキング・クッキー廃止計画を再びプッシュし始めた。Google は、英国の CMA (Competition and Markets Authority) と緊密に協力しており、年内に合意を達成したいと述べている。


Google の新たなスケジュールでは、サードパーティ・クッキーの段階的な廃止が、来年早々の開始へと変更されている。この延期は、2020年に Google が計画を発表した以降において、3回目の計画の変更となる。

Privacy Sandbox とは、ユーザーに合わせた広告を提供すると同時に、トラッキング・クッキーやクロスアプリ識別子に代わってプライバシーを保護する、新たな手段を提供する一連の取り組みのことを指す。

昨年の段階で Google は、Chrome ブラウザの一部のユーザーに対して、この機能を有効化していた。しかし、Information Commissioner’s Office (ICO) と並んで英国の監視当局も、Privacy Sandbox が消費者に利益をもたらし、Google 自身の広告技術を優遇することがないよう、その実装を注視している。

その一方で、Apple と Mozilla は 2020年初頭をもって、それぞれの Web ブラウザにおけるサードパーティ・クッキーのサポートを打ち切っている。

そして Google は、「業界および、規制当局、開発者からの、多様なフィードバックを調整するという、継続的な課題があることを認識している。したがって、エコシステム全体と密接に関わり続ける。また、英国の CMA が6月末までにと示す期限のうちに、市場参加者に提出を求めている業界テストの結果を含め、すべての証拠を検討するのに、十分な時間があることも重要である」と述べている。

先週の Wall Street Journal によると、Google が後退した原因としては、ICO からの報告書草案が原因として挙げられる。具体的に言うと、同社が提案した代替案には、広告主がユーザーを特定するために悪用できる隙間があることだ。つまり、プライバシーと匿名性の目的が、事実上損なわれていることが明らかになっている。

Google は Meet の通話を CSE (client-side encrypted) でアップデートをし、Google アカウントを持たないユーザーであっても、サポートすると発表している。それを受けて、今回の発表があった。