Gartner が考えるセキュリティと人工知能:2024 Hype Cycle から現状を読み解く

Gartner Spotlights AI, Security in 2024 Hype Cycle for Emerging Tech

2024/08/22 DarkReading — 企業は新興テクノロジーに注意を払う必要があるが、実証されていないテクノロジーを扱う能力に加えて、これらのテクノロジーを活用する方法についても、戦略を立てる必要があると、Gartner は述べている。今週にリリースされた Gartner の 2024 Hype Cycle for Emerging Technologies では、自律型 AI/開発者の生産性/トータル・エクスペリエンス/人間中心のセキュリティとプライバシーが取り上げられている。これらのテクノロジーを企業に組み込む方法を決定する前に、サイバー・セキュリティのリーダーたちは自社と状況を確かめた上で、それらのテクノロジーの長所と短所を知ることで、最大のメリットを得られるようになる。


Gartner は、生成 AI テクノロジーについて、過大な期待のピークの時期を過ぎたと位置付け、これらのシステムが生み出す投資収益率を、企業は考えるべきだと強調している。昨年におけるユーザー組織は、生成 AI を取り込んだものなら、何に対しても飛びついていた。しかし現在は、組織はペースを緩めて、特定の環境や要件に照らして、それらのテクノロジーを評価し始めている。


Gartner の VP Analyst である Arun Chandrasekaran は、「何よりもまず、テクノロジーを導入する前に、その成熟度を評価する必要がある。そのテクノロジーが、ある組織では上手く機能しても、別の組織では上手く機能しない可能性もある」と指摘している。

サイバー・セキュリティの分野におて Gartner は、人間中心のセキュリティとプライバシーを訴え、相互信頼とリスク共有の文化を創出することで、組織の回復力を高めるよう促している。よく言われるのは、人間が安全に行動するという前提に頼る、セキュリティ制御の実践である。しかし、現実には、従業員は業務を完了するために、厳しすぎるセキュリティ制御を回避していく。

Arun Chandrasekaran は、「テクノロジー導入ライフサイクルの早い段階で、人間を関与させ、チームに適切なトレーニングを行うことで、セキュリティ・テクノロジーと同期した方法で作業できるようになる」と述べている。Gartner よると、人間中心のセキュリティとプライバシーをサポートする新興技術には、AI TRiSM/Cybersecurity Mesh Architecture/Digital Immune System/Disinformation Security/Federated Machine Learning/Homomorphic Encryption などがあるという。

AI の Hype は とてつもなく高い

その一方で、技術リーダーたちが期待を抑えるべきものには、Multiagent Systems/Large Action Models/Machine Customers/Humanoid Working Robots/Autonomous Agents/Leinforcement Learning などの、最小限の人間による監視で動作する自律型 AI テクノロジーがある。

Arun Chandrasekaran は、「このテクノロジーは急速に進歩しているが、それに対する期待と Hype (誇大宣伝) が、とてつもなく高いため、ある程度の不満や幻滅感が生じるだろう。それは、避けられないことだ。テクノロジーが悪いからではなく、それに対する私たちの期待が大きすぎるのだ。近い将来において、期待という側面で、いくらかの再調整が見られる分野での失敗は避けられない」と指摘している。

Gartner の Hype サイクルが焦点を当てるものには、AI 強化ソフトウェア・エンジニアリング/クラウド・ネイティブ/GitOps/社内開発者ポータル/プロンプト・エンジニアリング/WebAssembly などの、開発者の生産性向上に役立つツールもある。

彼は、「テクノロジーのためのテクノロジーを導入することはできない。テクノロジーが人間とより調和して機能し、それらのテクノロジーの適切かつ適切な使用法について、人間がトレーニングされていくような方法で、実際のテクノロジーを導入する必要がある」と述べている。

この Gartner の Hype Cycle for Emerging Technologies は、今後の2年〜10年の間に変革的なメリットをもたらす可能性がある、2,000 を超えるテクノロジーの分析から抽出されたものである。