GSMA と Rich Communications Services:クロスプラットフォームのための E2EE を公表

GSMA Confirms End-to-End Encryption for RCS, Enabling Secure Cross-Platform Messaging

2025/03/14 TheHackerNews — GSM Association (GSMA) が発表したのは、Rich Communications Services (RCS) プロトコル経由で送信されるメッセージを保護するための、E2EE (End-to-End Encryption) の正式サポートである。それにより、Android/iOS プラットフォーム間で共有されるクロスプラットフォーム・メッセージに、待望のセキュリティ保護がもたらされる。

その RCS のための、新しい GSMA 仕様に取り込まれるのは、RCS Universal Profile 3.0. と呼ばれるものを介した、Messaging Layer Security (MLS) プロトコルに基づく E2EE となる。

GSMA の Technical Director である Tom Van Pelt は、「この、新しい仕様は、RCS のコンテキスト内で、MLS を適用する方法を定義している。これらの手順により、メッセージやファイルなどのコンテンツが、クライアント間を移動する際の機密性と安全性が確保される」と述べている

それが意味するのは、近い将来において RCS (Rich Communications Services) が、異なるプロバイダーの異なるクライアント実装の間で相互運用が可能な、E2EE をサポートする最初の大規模メッセージング・サービスとなることだ。

Android の Messagesアプリで使用されている Google 独自の RCS 実装では、ビルトイン E2EE 保護の欠如に対処するため、Signal プロトコルを使用して、会話を保護していることに注目が集まる。とは言え、現時点における暗号化の保護の手段は、アプリ経由で交換されるメッセージに限定されており、iOS ユーザーとのメッセージ交換はもちろん、Android 上の他の RCS クライアント・ユーザーとメッセージ交換にも適用されない。

Android と iOS のエコシステム間で送信されるメッセージを保護するために、GSMA が E2EE の実装に取り​​組んでいると発表してから約 6 か月後に、今回の発表へと至っている。この動きは、Apple が iOS 18 上の独自 Messages アプリで、RCS のサポートを決定したことを受けてのものだ。

2023年7月の時点で Google は、Messages サービスに MLS (Messaging Layer Security) のサポートを追加し、オープンソース仕様で実装する予定だと表明している

GSMA の Van Pelt は、「RCS が継続してサポートしていくものには、グループ・メッセージング/高解像度メディアの共有/既読通知や入力インジケータの表示などがある。iOS/Android ユーザーの間で、さまざまなメッセージング機能の相互運用を可能にしていく」と述べている。

Google にもコメントを求めてみた。同社は、「安全なメッセージング・エクスペリエンスの提供に注力し続けてきた。 長年にわたり、Google Messages のユーザーは、E2EE RCS メッセージングを利用している。この更新された仕様を、GSMA から入手できたことを嬉しく思っている。モバイル・エコシステムと連携して、クロス・プラットフォーム RCS メッセージングの環境に、この重要なユーザー保護を実装し、拡張していけるよう、可能な限り早急に取り組みたいと考えている」と述べている。

RCS のエンドツーエンド暗号化対応により、Android/iOS ユーザー間のメッセージングがより安全になるという、嬉しいニュースです。普段は何気なく使っているメッセージング・ツールですが、私たちのコミュニケーションの安全性はこうして保護されていると知ると、非常に心強いなと感じます。よろしければ、E2EE で検索も、ご利用下さい。