Apache Seata の脆弱性 CVE-2025-32897 が FIX:信頼されないデータのデシリアライズの問題

Apache Seata Flaw Enables Deserialization of Untrusted Data

2025/07/03 gbhackers — 広く普及している OSS 分散トランザクション・ソリューション Apache Seata に、新たな脆弱性 CVE-2025-32897 が発見され、影響を受けるバージョンを使用する組織において、セキュリティ上の懸念が生じている。この脆弱性により、Apache Seata サーバ内で、信頼されないデータのデシリアライズが許可されることで、リモート・コード実行などのセキュリティ・リスクに、システムが直面する可能性が生じる。

脆弱性の概要

この脆弱性は、Apache Seata (incubating) のバージョン 2.0.0 〜 2.3.0 未満に影響を及ぼす。この脆弱性の原因は、シリアライズされたデータの不適切な処理にあり、デシリアライズ処理中に、攻撃者に対して悪意のオブジェクト挿入を許す可能性が生じる。

CVE IDVulnerability TypeAffected VersionsFixed VersionSeverity
CVE-2025-32897Deserialization of Untrusted Data2.0.0 to <2.3.02.3.0Low

この脆弱性が悪用されると、脆弱なサーバ上で任意のコード実行などの、不正な操作が行われる機会が生じる。

この問題は、以前に報告された脆弱性 CVE-2024-47552 と基本的に同一のものであるが、新たな CVE-2025-32897 では影響対象バージョンが拡張され、包括的な適用範囲が確保されている。

この脆弱性は、公式アドバイザリでは深刻度が Low と分類されているが、デシリアライゼーションの脆弱性には、導入環境に応じて深刻な影響をもたらす可能性がある。

よく知られた攻撃ベクターである、デシリアライゼーションの脆弱性は、アプリケーションが、信頼できないソースからのデータを、十分な検証を行わずにデシリアライズした場合に発生するものだ。この脆弱性を悪用する攻撃者は、デシリアライズ処理時に、有害なアクションを実行するペイロードの挿入を可能にするという。

この Apache Seata の脆弱性を悪用するリモート攻撃者は、トランザクション・データの整合性/機密性の侵害に加えて、アプリケーション・サーバを制御する可能性も手にする。

現時点においては、広範囲にわたる悪用について、証拠は確認されていない。しかし、過去に同様の脆弱性が存在し、また、Seata が分散システム内で重要な役割を果たしている点を考慮すると、この脆弱性への迅速な対処が求められる。

影響を受けるバージョンと緩和策
SoftwareAffected VersionsFixed Version
Apache Seata2.0.0 to <2.3.02.3.0

ユーザーに対して強く推奨されるのは、Apache Seata のバージョン 2.3.0 以降へとアップグレードし、この脆弱性を緩和することだ。このアップデートでは、安全が確保されないデシリアライゼーション・ロジックが修正され、潜在的な悪用経路が遮断されている。

追加の緩和策として、以下が挙げられる:

  • すべてのシリアライズされたデータに対する、厳格な入力検証とサニタイズの実施。
  • ログの監視による、疑わしいデシリアライズ活動の検出。
  • Seata サーバの脆弱性を制限するための、ネットワーク・アクセスのセグメント化。

この脆弱性は、Seata 開発者メーリン・グリストによって公開され、Apache セキュリティ・チームにより認識されている。

このアドバイザリがユーザーに対して強く求めるのは、パッチ適用を優先事項とし、さらなる指針について公式チャネルを参照することだ。