SAP の 0-Day 脆弱性を悪用:公開されたエクスプロイトにより攻撃試行が増加?

SAP 0-Day Exploit Reportedly Leaked by ShinyHunters Hackers

2025/08/19 gbhackers — SAP の深刻な脆弱性に対する、悪名高いハッカー集団 ShinyHunters による攻侵の状況が明らかにされた。それにより、企業の SAP 環境における脅威状況は著しく悪化している。この複数のゼロデイ脆弱性を連鎖的に利用するエクスプロイトが、Telegram の Scattered LAPSUS$ Hunters – ShinyHunters チャネルを介して漏洩したことが、その後の 2025年8月15日に VX Underground により明らかにされた。

エクスプロイトの詳細

この武器化されたエクスプロイトは、主に SAP NetWeaver Visual Composer の深刻な脆弱性 CVE-2025-31324 (CVSS:10.0) を標的とするものだ。この脆弱性を悪用する未認証の攻撃者は、標的の SAP システム上で任意のコマンド実行を達成し、システム全体の侵害を引き起こす可能性を手にする。

CVE IDCVSS ScoreComponentPatch StatusSAP Security Note
CVE-2025-3132410.0SAP NetWeaver Visual ComposerPatched April 20253594142

このエクスプロイトは、上記の脆弱性 CVE-2025-31324 と、別の脆弱性を巧妙に連鎖させている。つまり、デシリアライゼーションの脆弱性 CVE-2025-42999 の悪用により、標的システムにアーティファクトを展開しない、Live off the land (環境寄生型) 攻撃を可能にしている。

この攻撃ベクターは、特定のカスタム SAP クラスである “com.sap.sdo.api.*” や “com.sap.sdo.impl.*” などを、エクスプロイト・ペイロードに組み込むものであり、SAP アーキテクチャに関する高度な知識を示している。

このエクスプロイト・コードは、SAP NetWeaver のバージョンに基づいて動的に調整される。したがって、この攻撃者は、プラットフォームの内部構造を深く理解していると推測される。

これらの脆弱性のいくつかを、最初に発見して報告してきた Onapsis のセキュリティ研究者たちが強調するのは、新規の脆弱性が悪用されているわけではないが、実際に動作するエクスプロイト・コードが公開されたことで、広範な攻撃リスクが大幅に高まったことだ。

2025年7月にも、SAP に新たな脆弱性が発見されており、このエクスプロイトで武器化されたデシリアライゼーション・ガジェット・コンポーネントが、それらに対して再利用される可能性が懸念される。

SAP システムを運用しているユーザー組織に対して強く推奨されるのは、すべてのセキュリティ・ノートに基づくパッチ適用状況を直ちに確認し、不審なアクティビティに対する監視を強化することだ。

このエクスプロイトの高度さと、ShinyHunters のような既知の脅威アクターの関与が浮き彫りにするのは、SAP セキュリティ・パッチを最新状態に維持し、包括的な監視ソリューションを実施することの重要性である。

公開されたエクスプロイトは、SAP 環境における脅威を、さらに深刻化させている。セキュリティ専門家たちが予測するのは、攻撃試行の増加である。