Chrome 141 の 21件の脆弱性が FIX:深刻度 High のヒープバッファ・オーバーフローも含まれる

Chrome Security Update Addressing 21 Vulnerabilities

2025/10/02 gbhackers — Chrome チームが公表したのは、Windows/Mac/Linux 向けの Stable チャンネルにリリースされた、Chrome 141.0.7390.54/55 に関する情報である。このアップデートでは、21件のセキュリティ脆弱性が修正されているが、その中には、深刻 High の欠陥も含まれる。今後の数日から数週にかけて、新たなバージョンが順次展開されていくという。ユーザーに対して強く推奨されるのは、速やかなアップデートにより、安全なブラウジング環境を確保することだ。なお、これらの修正には、外部の研究者の貢献によるものが多くあり、最大 $25,000 報奨金が支払われている。

脆弱性の概要

Chrome 141 では、WebGPU/動画/ストレージ/アドレスバー/メディア/タブ/V8 エンジンなどのコンポーネントにおける、複数の脆弱性が修正されている。

その中で注目すべきは、深刻度 High のヒープバッファ・オーバーフローの2件の脆弱性と、深刻度 Medium のサイドチャネルリーク/境界外読み取り/不適切な実装に関する複数の脆弱性である。それらに加えて、ストレージと V8 エンジンにおける深刻度 Low のバグも修正されている。

なお、一連の外部からのコントリビューションでは、Fuzzing/AddressSanitizer/MemorySanitizer/UndefinedBehaviorSanitizer/Control Flow Integrity/libFuzzer/AFL などの高度な手法が用いられているという。以下に示すのは、外部から報告された脆弱性/深刻度と、報奨金の概要である。

RewardCVESeverityDescription
$25,000CVE-2025-11205HighHeap buffer overflow in WebGPU
$4,000CVE-2025-11206HighHeap buffer overflow in Video
$5,000CVE-2025-11207MediumSide-channel information leakage in Storage
$3,000CVE-2025-11208MediumInappropriate implementation in Media
$3,000CVE-2025-11209MediumInappropriate implementation in Omnibox
$3,000CVE-2025-11210MediumSide-channel information leakage in Tab
$3,000CVE-2025-11211MediumOut-of-bounds read in Media
$2,000CVE-2025-11212MediumInappropriate implementation in Media
$1,000CVE-2025-11213MediumInappropriate implementation in Omnibox
N/ACVE-2025-11215MediumOff-by-one error in V8
$1,000CVE-2025-11216LowInappropriate implementation in Storage
N/ACVE-2025-11219LowUse-after-free in V8

上記のとおり、外部の研究者から報告された多数の脆弱性があるが、Chrome セキュリティ・チームは内部監査/ファジング/自動テストを通じて、特定された問題に対処している。これらの改善により、Chrome のメモリ破損や情報漏洩といった、さまざまな問題に対する耐性が強化された。

手動によるアップデートは、以下の手順となる:

  • Chrome を開き、右上のメニュー (⋮) をクリックする。
  • [ヘルプ] > [Google Chrome について] を選択する。
  • Chrome は自動的にアップデートを確認し、バージョン 141 をインストールする。
  • 修正を適用するには、ブラウザを再起動する必要がある。

Chrome/Chromium に関するブログ投稿において、Chrome 141 で提供される新機能と主要な取り組みについて、Google は詳しく説明する予定とのことだ。