Linux Kernel 6.18-rc1 Released With Extensive Updates Following a Steady Merge Window
2025/10/13 CyberSecurityNews — Linus Torvalds が発表したのは Linux 6.18-rc1 のリリースであり、次期カーネル・バージョンのリリース候補フェーズの開始を示している。Torvalds はいつもの率直な発言で、マージ期間が2週間でスムーズに終了し、新しい候補がタグ付けされ、世界中の開発者とテスターに配布されたと述べた。今回のイテレーションは、規模的には特筆すべきものではなく、最近のリリースとの比較では中規模なものであり、マージの短いログにも目立った異常は見当たらないという。

変更点の大部分 (diffstat の約半分) はドライバに関するものであり、多様化の一途をたどるハードウェア・サポートのためのカーネルの継続的な進化を反映している。
残りの変更点は、仮想ファイル・システム (VFS)/ファイル・システム/アーキテクチャの更新・ツールの改善/カーネル・モジュールへの Rust の継続的な統合である。なお、デバイス・ツリーの拡張の影響が大きく、ドライバの領域にも入り込んでいるようだ。
Torvalds は、今回のマージはテスト・マシンでバイセクトの問題を回避できた数少ない経験であり、テストが本格化するにつれて、より広範な安定性が実現する可能性があると、前向きな点を指摘している。
Linux カーネル 6.18-rc1 リリース
ドライバーのアップデートが中心となっているが、Alex Williamson をはじめとするメンテナーたちの貢献により、仮想化環境に不可欠な仮想関数 I/O 用の VFIO が強化された。
Greg Kroah-Hartman は、USB/Thunderbolt/ステージング・コードなどの、周辺機器ドライバの広範な開発を担当し、Bjorn Helgaas は PCI のパッチを適用してデバイス列挙の信頼性を確保した。
グラフィックス関連では、Dave Airlie による DRM のアップデートと修正が行われた。それは、最新のディスプレイと GPU にとって不可欠なものである。アーキテクチャ固有の作業には、Borislav Petkov による x86 の大規模なオーバーホールが含まれており、命令デコーダー/マイクロコードのロード/Spectre などの脆弱性に対する緩和策が網羅されている。
Arm64 に関しては Will Deacon が、RISC-V は Paul Walmsley が調整を行い、組み込み環境をサーバへの導入を支援している。
Rafael Wysocki が率いる電源管理チームでは、ACPI と熱制御が改良され、ラップトップとデータセンター全体のエネルギー効率が最適化された。
ネットワークと I/O 層も進化し、Paolo Abeni によるコアネットワーク・スタックのアップデートと、Jens Axboe による非同期操作向けの io_uring 機能強化により、高スループット・アプリケーションのパフォーマンスが向上した。
ファイルシステムとセキュリティ
Al Viro と Christian Brauner により、VFS では大幅な改良が行われた。マウント更新/inode 処理/ファイル操作を近代化するための Rust バインディングなどが施されている。
ext4 (Ted Ts’o)/Btrfs (David Sterba)/XFS (Carlos Maiolino) などのファイル・システムでは、データの整合性と速度を向上させるための修正と最適化が組み込まれた。
セキュリティは引き続き優先事項であり、Kees Cook による seccomp の改良、そして Eric Biggers による fscrypt および暗号ライブラリのアップデート (インターリーブ SHA-256 のサポートを含む) が行われた。
Alexei Starovoitov による BPF (Berkeley Packet Filter) では eBPF プログラムの修正が追加され、安全性を損なうことなくカーネルの可観測性が向上した。Paul McKenney による RCU (read-copy-update) の調整と、Thomas Gleixner による IRQ およびタイマーコアのアップデートにより、リアルタイム・システムに不可欠な低レイテンシの応答性が確保されている。
この rc1 が示すのは、Rust の基盤が安全なコードを約束し、広範なハードウェア・サポートと開発ツールに向けてカーネルが成熟していることだ。
目玉となる機能は登場していないが、100 人以上のコントリビューターによる累積的な改良により、サーバ/モバイル/IoT における Linux の地位が強化されている。
テスターに対しては、ワークロードを駆使した Linux の徹底的なテストが強く求められる。リグレッションがない限り、12 月までに完全な安定性が実現する可能性がある。Torvalds は、この順調な展開がエコシステムにも広がることを期待していると冗談を言い、6.18 は確実なリリースになりそうだ。
Linus が Linux 6.18-rc1 を公開しました。今回はドライバ更新が中心で、多様化するハードウェア対応を支える継続的な進化が目立ちます。VFS と FS の改良/Rust のカーネル統合/VFIO/io_uring/電源管理の改善/seccomp や fscrypt 等のセキュリティ強化が主な変更ポイントです。規模は中程度ながら安定性重視の改良が積み重なっており、開発者やテスターの検証が進めば確実に実運用に寄与しそうだと、この記事は指摘しています。よろしければ、Linux Kernel で検索を、ご参照ください。
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