Mozilla が Microsoft を公に批判:Windows への Copilot の強引な展開を巡って

Mozilla Criticizes Microsoft for Installing Copilot on Windows Without User Consent

2026/04/13 CyberSecurityNews — Mozilla が Microsoft を公に批判した理由は、ユーザーの同意なしに AI アシスタント Copilot を Windows システムへ展開した点にある。Firefox の開発元が指摘するのは、ユーザーの権利よりも企業の収益を優先する Microsoft の姿勢だ。Mozilla は “Old Habits Die Hard” (習慣はなかなか変えられない) というブログ投稿で、自動インストール/ハードウェアデフォルト設定/欺瞞的 UI デザインを用いて、Windows エコシステム全体へと Copilot を 積極的に展開していると非難している。

Mozilla の主張は、Microsoft 365 デスクトップアプリを実行する、すべての Windows デバイスに対して、ユーザーの許可や確認なしに M365 Copilot アプリが自動インストールされるという手法を批判するものだ。

Copilot に関しては、Windows 11 のタスクバーにデフォルトでピン留めされ、通知センター/Settings アプリ/File Explorer といった OS の中核領域への統合も計画されている。

ソフトウェアの展開に加えて Microsoft は、Copilot+ PC キーボードに専用の Copilot キーを導入した。このキーは、他の機能への再割り当てが簡単にできないものである。

Mozilla による Microsoft への批判

これらの展開手法は、ユーザーから強い反発を招くことになった。その結果として、Microsoft は方針転換を余儀なくされたと、Mozilla は主張する。2026年3月に Microsoft は、Photos/Notepad/Snipping Tool/Widgets から Copilot 統合を撤回すると発表した。同社は、「この後退は、最も意味のある場所に AI を統合する方針の一環である」と説明した。

Mozilla の立場は明確である。Copilot に関する意図的な統合への方針転換は、これまでの Microsoft が繰り返してきた、ユーザーよりも自社ビジネスを優先するという意思決定の延長にあるという認識を示している。

Mozilla の批判は Copilot に留まらない。Windows におけるユーザー選択を上書きするために、”ダークパターン” と呼ばれる欺瞞的なデザインを用いてきた歴史を、同組織は指摘する。

Mozilla が委託した独自の調査で明らかになったのは、デフォルト・ブラウザの変更プロセスが意図的に複雑化されていることや、ユーザーが別のブラウザを選択しても Windows UI が Microsoft Edge へ誘導する設計である。

Windows 11 における他の例として、デフォルト・ブラウザに関係なくタスクバーの検索バーで Edge を起動する仕様、Microsoft Outlook や Teams が既定ブラウザ設定を無視してリンクを Edge で開く挙動が挙げられる。

特に注目すべきは、Copilot 自動インストールの対象から 欧州経済領域 (EEA) が除外されている点である。それが示唆するのは、ユーザーの権利よりも法規制の圧力が、Microsoft の意思決定に影響していることである。

これに対して Mozilla は、Firefox 148 で導入した AI Controls パネルの “Block AI Enhancements” トグルにより、すべての AI 機能を一括して無効化する設計を採用している。なお、それぞれの機能に対して、個別に制御することも可能である。

重要なのは、それらのユーザー設定が、アップデート後も維持される点である。つまり、大規模な更新の後でも、AI 機能が自動的に再有効化されることはない。この点が、Microsoft のアプローチとの明確な差である。

Mozilla は、オンデバイス翻訳や PDF の代替テキスト生成といった AI 機能も提供しているが、すべての利用はユーザーが任意に決定できる。Mozilla のメッセージは、「AI はプラットフォーム・ベンダーではなく、ユーザーの意思に基づき動作すべきだ」というものだ。

Microsoft による Copilot の後退は、ユーザーにとって前進であるが、サイバー・セキュリティ/プライバシーの分野における懸念を浮き彫りにする。支配的なプラットフォームが、インフラの支配力を用いてユーザー同意を回避すると、業界全体に危険な前例が作られてしまう。

業務ファイル/ID システム/クラウド・サービスに AI 機能が深く関与するにつれて、デフォルト展開のリスクが、エンタープライズ・セキュリティリスクへと直結することになる。

今回の Mozilla による公的な批判が示すのは、ユーザー同意を巡る議論が、未だに継続中であるという点だ。Firefox のような競合プラットフォームとユーザーからの圧力が、Big Tech の AI 戦略に対する重要な抑制要因であり続けることを示している。