Chrome エクステンション SiderAI/MaxAI に深刻な脆弱性:1,000 万台超の Chrome 環境に影響

Chrome Extensions’ Critical Flaws Let Attackers Easily Compromise Millions of Browsers

2026/06/19 CyberSecurityNews — 人気の Chrome エクステンションである SiderAI と MaxAI に深刻なセキュリティ上の脆弱性が発見され、数百万人のユーザーが危険にさらされている。これらの脆弱性を悪用する攻撃者は、ブラウザ・セッションを完全に乗っ取り、Web サイトやローカル・システム上の機密データにアクセスする可能性がある。

Rebora Security のセキュリティ研究者が発見したのは、AI を活用するエージェント型サイド・パネル・エクステンションに影響を及ぼす、Spyder および MaXSS と呼ばれる脆弱性である。それらのツールは、AI による要約機能や自動化機能を通じてブラウジング・エクスペリエンスを向上させるよう設計され、Chrome 互換ブラウザ全体で 1,000 万台を超えるデバイスにインストールされている。

特に SiderAI は、Chrome Web Store のエクステンション・ランキング上位 25 件に入っており、この問題の影響規模の大きさを示している。また、これらの脆弱性は、Web ページとエクステンションの内部コンポーネント (特に content script) 間の通信における不適切な検証に起因する。

Chrome エクステンションの脆弱性

Chrome エクステンションにおける content script は、Web サイトとエクステンションを繋ぐバックグラウンド・プロセスの仲介役として機能する。本来は厳格な分離が求められるが、SiderAI と MaxAI は Web ページから受信した入力を適切に検証していなかった。

MaxAI において研究者が発見したのは、悪意の Web サイトがエクステンションの content script に対して細工されたメッセージを送信し、その content script が適切に検証されない状態でバックグラウンド・プロセスへと転送されることだった。


この欠陥を突く攻撃者は、隠しタブの起動/スクリーンショットの取得/ユーザー・アカウントへのアクセスや操作といった、特権的な操作を実行できるようになっていた。

この攻撃シナリオで研究者が実証したのは、Gmail と Google Calendar のセッションにアクセスし、ユーザーに気付かれることなく機密情報を抽出できることだ。


また、SiderAI の Spyder 脆弱性を突く攻撃者は、Web セッション全体に埋め込まれたクリックやキー入力といったユーザー操作をシミュレートできた。

これらの機能を介して、悪意のサイトから Google Gemini などのサービスを密かに起動し、AI のプライベートな会話データを抽出して外部へ漏洩させることが可能となる。これは、ブラウザの信頼境界が深刻に崩壊していることを意味する。

これらの欠陥の影響は広範囲に及ぶものであり、Web サイト上でのメールの閲覧/認証トークンの窃取/文書の閲覧や改竄といった、悪意の操作を攻撃者に許すことになる。また、場合によっては、これらのエクステンションに付与された権限により、基盤となるオペレーティング・システム上のローカル・ファイルへのアクセスも可能になる。

最も懸念されるのは、悪用に際して必要になるユーザー操作が、悪意ある Web ページを訪問することだけである点だ。そのため、この攻撃経路は、きわめてステルス性と拡張性が高いものとなる。

Rebora Security の研究者によると、これらの問題をエクステンション・ベンダーへ報告したが、返答は得られなかったという。深刻度が高いことから調査結果が公開され、Chrome Web Store の運営者である Google にも通知された。

ユーザーに対して推奨されるのは、自身のブラウザに SiderAI または MaxAI がインストールされていないことの確認であり、インストールされている場合には、直ちに削除することである。

このインシデントが浮き彫りにするのは、AI 統合型ブラウザ・エクステンションに関連するリスクが高まっている状況である。脅威環境が進化する中で、エンドポイント・セキュリティの重要性が高まっていることも示している。