Fortinet 認証情報窃取キャンペーン FortiBleed を追跡:INC/Lynx ランサムウェアとの関連を確認

FortiBleed credential-theft campaign linked to Lynx ransomware

2026/07/01 BleepingComputer — Fortinet を標的とする、大規模な “FortiBleed” 認証情報窃取キャンペーンが、INC および Lynx のランサムウェア活動と関連していることが判明した。それにより示唆されるのは、すでに窃取されていた Fortinet の認証情報が、その後のネットワーク侵入を促進する目的で悪用されていたことである。このキャンペーンに先立ち、73,000 台を超える Fortinet デバイスから窃取した認証情報を格納するサーバが、インターネット上で公開されている状態で発見された。

研究者たちが確認したのは、FortiGate のコンフィグ・ファイル/侵害されたデバイスから収集された認証情報/パスワード・ハッシュのクラックを解析し、認証情報スタッフィング攻撃で悪用するためのインフラが、このサーバに含まれていることである。公開された認証情報の量が膨大であり、大規模な認証情報窃取活動が行われていたことから、このキャンペーンは “FortiBleed” と名付けられた。

SOCRadar による追加調査により判明したのは、この活動では侵害された FortiGate ファイアウォール上で使用される、”FortiGate Sniffer” と呼ばれるカスタム・パケット・スニッフィング・ツールの存在である。これにより攻撃者は、ネットワーク・トラフィックから VPN 認証情報などの機密データを直接傍受できた。

また、SOCRadar の Threat Research Unit (STRU) による最新の調査では、この認証情報窃取活動が INC および Lynx の Ransomware-as-a-Service (RaaS) グループのメンバーと結び付いていることが明らかになった。研究者たちは、FortiBleed のインフラの一部として使用されていた Windows サーバを特定し、この関連性を突き止めた。

SOCRadar は、「当社の脅威研究チームは、FortiBleed のインフラとして使用されていた Windows サーバを特定した。これにより、脅威アクターの活動手法についての知見を得ることができた」と BleepingComputer に述べている。

研究者たちは、「そのサーバの調査で収集したアーティファクトを分析した結果、脅威アクターが Lynx/INC の両ランサムウェア・グループの身代金交渉パネルにアクセスしていたことが明らかになった」と付け加えている。

SOCRadar は、両ランサムウェア・グループの管理パネルにアクセスする、ブラウザ・セッションのスクリーンショットを BleepingComputer と共有した。その画像には、ランサムウェア交渉で使用される被害者とのチャットを含む、交渉ダッシュボードが表示されていた。研究者によると、これは FortiBleed のインフラへアクセスできる人物が、ランサムウェア・グループの交渉プラットフォームにも関与していたことを示す直接的な証拠であるという。

SOCRadar は、このキャンペーンとの関連が判明していたサーバに加え、200 台を超える追加の運用サーバを特定したと明らかにした。また、FortiBleed の活動中に収集され、その後に INC のランサムウェア漏洩サイトに掲載された、組織と重複する被害者の情報も発見した。その他にも、役割分担が明確にされた約 20 人のメンバーで、この活動が構成されていることを示唆する証拠も確認している。

このキャンペーンの規模は当初想定されていたよりもはるかに大きく、世界中の 430,000 台を超える FortiGate ファイアウォールを標的とし、約 19,000 台のデバイスに対してトラフィック・スニファーを設置していたという。影響を受けた組織へ通知した後には、侵害されたデバイスは約 11,000 台まで減少したが、この活動で悪用されたサーバとして約 500 台を特定したと、研究者は述べている。

初期侵害後にアクセス範囲を拡大する活動の一環として、これまで未公開だった Nextcloud のゼロデイ脆弱性が悪用されたと、研究者たちはみているが 、現時点では技術的な詳細は公開されていない。さらに SOCRadar は、侵害されたシステム上において、”adminin” というユーザー名を使用する永続的なバックドア・アカウントも発見している。そして、ランサムウェアの復号キーの回収に向けた取り組みを継続していると述べている。

INC Ransom は、2023 年の半ばから RaaS プラットフォームとして活動しており、世界中の医療/教育/政府機関といった分野の組織を標的としている。その一方で、Lynx は 2024 年の半ばに出現しているが、新たな恐喝グループではなく、INC ランサムウェア・グループのリブランドであると、セキュリティ研究者たちは捉えている。SOCRadar は、侵害の痕跡 (IOC)/帰属に関する証拠/追加の技術分析などを含む、第 2 弾の技術ホワイトペーパーを、調査完了後に公開するとしている。