クラウド関連の脆弱性 (CVE) は 632件:前年比で 194% 増 – IBM 調査

Cloud Vulnerabilities Surge 200% in a Year

2023/09/14 InfoSecurity — 2022年6月〜2023年6月に、IBM が新たに追跡したクラウド関連の脆弱性 (CVE) は 632件であり、前年比で 194% 増となった。IBM X-Force Cloud Threat Landscape Report 2023 を構成する要素は、同社における脅威インテリジェンス/インシデント対応業務/ペンテストからの情報に加えて、ダークウェブ分析/Cybersixgill/Red Hat Insights などのからの情報に基づいている。IBM が追跡している CVE の総数は 3900件に達し、その数は 2019年との比較で2倍増となっている。


この1年で発見された CVEの 40%強について、それらの悪用の結果を推定すると、攻撃者による情報取得は 21% に達し、アクセス権取得は 20% に達する可能性があるとのことだ。

その一方で、クラウド侵害におけるイニシャル・アクセス・ベクターのトップは、脅威アクターによる有効な認証情報の悪用だった。それは、実際のクラウド・インシデントの 36% で発生していると、このレポートは指摘している。なお、それらの認証情報には、攻撃中に発見されたものと、特定の被害者を標的にする前に盗まれたものがある。

この数字は、認証情報の悪用に起因するインシデントの、2022年の比率である 9% から大幅に増加している。IBM のアナリストである Chris Caridi は、「この数字が浮き彫りにするのは、組織における技術的なガードレールの必然性である。人手に頼った認証から脱却し、ユーザー ID とアクセス管理の安全性を確保する必要がある」と述べている。

不適切なセキュリティ対策は、攻撃者による侵害を容易にしている。X-Force チームは、クラウド環境を含むエンゲージメントの 33% で、ユーザーのエンド・ポイントに平文の認証情報が置かれていることを発見した。

このレポートには、「エンドポイントに保存されている、サービス・アカウントの認証情報が高い確率で散見され、その多くが過剰に特権化されていた。過剰に特権化されたユーザーとは、ジョブやタスクの遂行では必要とされない、高権限を持っているユーザーだと定義できる」と記されている。

それに続く、イニシャル・アクセス・ベクターとして挙げられるのは、パブリックなアプリケーションの悪用/フィッシング/スピアフィッシングであり、それぞれが 14% を占めている。

クラウドベースの攻撃は全世界で発生しているが、その大半はヨーロッパの 64% であり、北米の 29% が続いている。Red Hat Insights のマルウェア・スキャンに関するデータも、この調査結果を裏付けており、欧州の組織が 87% を占め、それに続くのが北米の 12% であるとしている。