Windows 11 から SMB1 ファイアウォール・ルールが消える:セキュリティ強化の一貫

Microsoft drops SMB1 firewall rules in new Windows 11 build

2023/11/08 BleepingComputer — Windows 11 のビルド 25992 から、新しい SMB 共有を作成する際に SMB1 の Windows Defender ファイアウォール・ルールが追加されなくなると、今日の Canary Channel Insider Preview が伝えている。Windows XP SP2 以降では、SMB 共有を作成すると、指定されたファイアウォール・プロファイルの “File and Printer Sharing” グループ内でルールが自動的に設定されていた。


しかし、今日からは、Windows 11 は更新された制限付きの “File and Printer Sharing” グループがコンフィグレーションされ、インバウンドの NetBIOS ポート 137-139 (SMB1の機能) が省略されるという。

Microsoft の Amanda Langowski と Brandon LeBlanc は「この変更は、 SMB ファイアウォールのルールを、Windows Server の “File Server” ロールの動作に近づけるだけではなく、より高度なネットワーク・セキュリティのデフォルトを強制する。管理者は、この新しいファイアウォール・グループを変更するだけではなく、必要に応じて “File and Printer Sharing” グループを設定できる」と述べている。

Microsoft Principal Program Manager の Ned Pyle のブログ投稿には、「将来においては、このルールを更新して、インバウンドの ICMP/LLMNR/Spooler Service ポートを削除し、SMB 共有に必要なポートだけに制限する予定だ」と記されている。

また、ハードコードされたデフォルトとは異なるカスタム・ネットワーク・ポートを介して、SMB クライアントは TCP/QUIC/RDMA 経由で SMB サーバと接続できるようになった。以前において、SMB は TCP/445/QUIC/443/RDMA iWARP/5445 のみをサポートしていた。

Windwos Defender Firewall rules
Windows Defenderファイアウォールルール (Microsoft)
Windows を一歩ずつ、よりセキュアに

これらの改善は、Windows と Windows Server のセキュリティを強化するための広範な取り組みの一部であり、この数カ月に発行された他の更新プログラムでも、その点が強調されている。

Windows 11 Insider Preview Build 25982 の Canary Channel での導入に続き、管理者は全ての送信接続に対して SMB クライアントの暗号化を強制できるようになった。

すべてのディスティネーション・サーバが、SMB 3.x と暗号化のサポートを要求することで、Windows 管理者に対しては、すべての接続が安全であることが保証され、盗聴や傍受攻撃のリスクの軽減策が提供される。

また、管理者は、Windows 11 Insider Preview Build 25951 から、リモートのアウトバウンド接続で SMB を介した NTLM データの送信を自動的にブロックし、Pass-the-Hash/ NTLM Relay/Password-Cracking 攻撃を阻止するよう、Windows 11 システムをコンフィグレーションができる。

さらに Build 25381 では、すべての接続で NTLM リレー攻撃を防御するために、Microsoft はデフォルトでの SMB 署名 (セキュリティ署名) を要求し始めた。

2022年4月に Microsoft が表明したのは、数十年前からの SMB1 ファイル共有プロトコルを無効にするために、Windows 11 Home Insiders も最終的な段階にあることだ。