Microsoft Recall のプレビューが始まる:プライバシー保護のための新たな機能とは?

Microsoft Finally Releases Recall as Part of Windows Insider Preview

2024/12/03 DarkReading — Windows Recall を延期発表から6ヶ月後に Microsoft は、Dev Channel を通じて Windows Insider 向けに改良版の初プレビューをリリースした。このプレビューは、Qualcomm Snapdragon X Elite および Plus Copilot+ PC を使用する Windows Insider だけが利用できるものだ。Microsoft によると、Click to Do 付きの Recall のプレビューを取り込んだ Windows のビルドは、Windows 11 Insider Preview Build 26120.2415 (KB5046723) となる。Intel/AMD 向けの Copilot+ PC のサポートは、後日に提供されるという。

Recall の機能は、いつでも検索が可能な、ユーザーの PC におけるスナップショットを撮影するというものだ。それによりユーザーは、自身のシステムで以前にアクセスしたアプリ・アクション/Web サイト/画像/ドキュメントなどを、呼び出せるようになる。さらに Recall は、スクリーンショット内のテキストを OCR により抽出し、画像とテキストの検索が可能なデータベース内に保存する。

したがって、ユーザーが探したいものを説明すると、Recall はデータベース内を検索して見つけ出してくれる。ビルトインされたニューラル・プロセッシング・ユニットは、AI/ML のワークロードをローカルで実行し、クラウドには何も保存しないという。つまり、Microsoft による Recall スナップショットへのアクセスは不可能であり、いずれのスナップショットも、Microsoft AI モデルのトレーニングには使用されない。

当初の計画では、昨年の夏に Recall はリリースされる予定だったが、プライバシーの懸念に対処するために、Microsoft は延期を繰り返していた。そして、2024年9月の時点で同社は、Recall スナップショットのセキュリティ保護に取り組んでいることを説明していた。

セキュリティに重点を置いた、いくつかの新たに追加された機能が、今回のプレビューで利用できる。まず、プレビューをダウンロードしたユーザーは、スナップショットの保存をオプトインする必要がある。それは、当初に計画されていた、オプトアウト機能からの変更である。さらに、Recall を使用するためには、BitLocker ディスク暗号化とセキュア・ブートの有効化が必要になった。

それに加えてユーザーは、Recall のデータベースにアクセスするたびに、Hello で再認証する必要があるため、Windows Hello に登録する必要が生じている。なお、ユーザーは、任意のスナップショットを削除できるようになる。また、このシステムは、クレジットカード番号/パスワード/PIN などの機密性の高い個人データに関しては、検出/保存を行わない。

なお、ユーザーは、特定のアプリや Web サイトにおいて、Recall のオプトアウトや、完全なアンインストールが可能になるという。企業および教育機関のユーザーの場合には、Recall は IT 管理者により管理される。したがって管理者が、データの漏洩を懸念する場合には、Recall を完全にアンインストールすることも可能となる。

今回の Windows Insider プレビューの目的は、ユーザーが実際のシナリオで、この機能を試用できるようにし、対処が必要な問題を Microsoft が特定できるようにすることにある。ユーザーはフィードバック ハブを介して、Recall および Click to Do のプレビュー・バージョンに関するフィードバックを送信できる。Insider ユーザーは、Windows Insider プレビュー・バグ・バウンティ プログラムを通じて、Recall の “更新されたセキュリティとプライバシーのアーキテクチャ” に関するフィードバックの提供を求められる。

Recall の一般リリースの準備が整ったと見なされるまで、どのくらいの期間においてプレビューを継続するのかという点について、Microsoft は予定を明らかにしていない。