Mozilla Firefox 139.0.1 がリリース:NVIDIA GPU における描画異常を修正

Mozilla releases Firefox 139.0.1 update to fix artifacts on Nvidia GPUs

2025/05/29 BleepingComputer — Mozilla が公表した Firefox 139.0.1 を緊急アップデートは、NVIDIA GPU を搭載した PC 環境において、グラフィックのアーティファクトが発生する不具合に対応するものだ。この不具合は、5月27日にリリースされた Firefox 139 において発生しており、Web 閲覧中の描画異常が報告されていた。

Reddit のスレッドでは複数のユーザーが、Instagram などの特定サイトにおいて、動画が正常に表示されないという問題を報告している。その一方で、すでに Mozilla は根本的な原因を特定しており、ホット・フィックスとして v139.0.1 を提供している。Bugzilla の投稿によると、従来のブロック・リストにより無効化されていた特定の DirectComposition パスが、Firefox 139 では再有効化されており、これが不具合の原因であったという。

以前のバージョンでは、NVIDIA 環境における混在リフレッシュ・レート設定下で DirectComposition の使用をブロックリストにより制限していた。しかし、Firefox 139 において、この制限が削除されたことで、ブラウザでの DirectComposition を使用可能となり、Windows 10 上の NVIDIA グラフィック・ドライバのバグが露呈するかたちとなった。

この問題は、60 Hz のモニターで 60 FPS の動画を再生しながら、高リフレッシュ・レートのモニター上でスクロールやホバー操作を行うと、動画バッファが他ウィンドウに漏れ出し、結果として、画面のちらつきやや描画の破損が生じる。なお、30 FPS コンテンツではリフレッシュ・レートとの整合性により、この現象は発生しない。

なお、この不具合は、シングル・モニター環境や、AMD/Intel GPU 構成では再現しない。また、DirectComposition 自体に問題があるのではなく、Mozilla による特定の実装方法が、一部 GPU 環境と競合している点にも注意が必要である。

Firefox の開発者は、「現時点において、Firefox が他ブラウザと異なるのは、DirectComposition を Swapchains ではなく Surfaces を通じて使用している点である。現在、新たなコードパス (Layer Compositor) を開発中であり、数週間以内に Firefox Nightly にてテスト可能となる見込みだ。準備が整い次第、同一マシン上で、この方式によるテストを行い、他のブラウザに非常に近いアプローチで描画異常が発生しないことを検証したい」と、Bugzilla の投稿で述べている。

Mozilla Firefox 139.0.1 における修正

​​Mozilla は Firefox 139.0.1 において、従来のブロックリストを復元することで、この問題を修正している。

リリースノートには、「Firefox 139 へのアップデート後、特定の NVIDIA グラフィック・アダプターと複数のモニターを、異なるリフレッシュ・レートで使用した際に発生していた描画異常を修正した」と記載されている。

すでに Firefox 139.0.1 の提供が開始されており、設定画面からアップデートの確認、および、インストールが可能となっている。