Outlook におけるインライン SVG 画像表示が廃止:ただし 添付ファイルでの送受信は OK

Microsoft to Disable Inline SVG Images Display to Outlook for Web and Windows Users

2025/10/05 CyberSecurityNews — Microsoft が発表したのは、Outlook for Web/Outlook for Windows プラットフォーム全体でインライン SVG 画像のサポートを終了し、Outlook ユーザー向けのセキュリティを強化することである。この変更は、メール・セキュリティ・インフラを強化し、潜在的なサイバー・セキュリティの脅威からユーザーを保護するという積極的な対策と言える。展開のタイムラインは、すべての Microsoft 365 環境に包括的に適用するための、戦略的な構成を考慮するものだ。

標準的な商用テナントに影響を及ぼす世界規模での展開は、2025年9月初旬に開始され、2025年9月中旬に完了している。

Outlook での SVG 画像表示の無効化

GCC/GCC-H/DoD/Gallatin などの、政府機関および特殊な環境向けの実装は、2025年9月中旬に開始され、2025年10月中旬に完了する予定である。

この段階的なアプローチにより、Microsoft は実装の影響を監視していくが、ユーザー組織においては、メール・コミュニケーション戦略の調整に必要な時間が確保されるという。

この変更で特に対象とされるのは、インライン SVG レンダリングであり、メール本文に直接埋め込まれた SVG 画像は表示されなくなり、代わりに空白スペースが表示される。

インライン SVG サポートの廃止は、SVG の XML ベースの構造を悪用する、深刻なクロスサイト・スクリプティング (XSS) の脆弱性に対処するものだ。

SVG ファイルには悪意の JavaScript コードが含まれている可能性があり、メール・クライアント内においてインラインでレンダリングされると、高度なサイバー攻撃の標的になり得てしまう。

Microsoft のデータによると、この変更は Outlook で使用される全画像の 0.1% 未満に影響し、運用上の中断を最小限に抑えながら、セキュリティ上のメリットを最大化するものになる。

この決定により、Outlook の動作は、すでにインライン SVG レンダリング機能を制限している、業界標準のメール・クライアントの慣行に準拠することになる。

重要なことは、SVG ファイルの添付は引き続き完全にサポートされるため、ユーザーは従来の添付方法により SVG ファイルを共有し続けられる点である。

したがって受信者は、添付ファイル・セクションからのダウンロードにより、これらのファイルを表示できるため、インライン・レンダリングのリスクを排除しながら機能性を維持できる。

管理者やエンドユーザーによる即時の対応は必要ないが、ユーザー組織に対して Microsoft が推奨するのは、社内ドキュメントを更新すること、そして、メール通信でインライン SVG を頻繁に使用するユーザーに通知することだ。

この予防的なセキュリティ対策は、Microsoft 365 エコシステム全体の、企業/個人ユーザーにとって不可欠なコミュニケーション機能を維持しながら、堅牢なメール・セキュリティ標準を維持するという Microsoft のコミットメントを示すものである。