OpenShift GitOps Vulnerability Allows Attackers to Escalate Privileges to Root
2025/12/16 gbhackers — Red Hat が公表したのは、OpenShift GitOps に存在する深刻なセキュリティ欠陥に関する情報である。この脆弱性 CVE-2025-13888 を悪用する認証済みのユーザーは、クラスターを完全に制御する可能性を得る。Red Hat は深刻度を Critical ではなく Important と評価しているが、名前空間の管理者を完全に信頼できない環境においては、技術的に深刻な影響を及ぼす。この脆弱性の悪用に成功した名前空間の管理者が、本来の範囲を超えて権限を昇格させ、システム全体へのルート・アクセスを取得する可能性がある。

ルートアクセスへの技術的エスカレーション
この脆弱性は、OpenShift GitOps が ArgoCD Custom Resources の権限を処理する方法に起因する。標準設定において名前空間の管理者に付与される権限は、特定の名前空間内のリソース管理に限定されている。
| Category | Information |
|---|---|
| CVE ID | CVE-2025-13888 |
| Vendor Severity | Important |
| CVSS v3.1 Score | 9.1 (Important) |
| Attack Vector | Network (AV:N) |
しかし、この脆弱性を悪用する悪意の管理者は、特定の Custom Resources を作成して検証プロセスをバイパスすることで、他の名前空間で昇格された権限を付与できてしまう。こうして昇格された権限を取得した攻撃者は、コントローラ・ノード上で実行可能な特権ワークロードを展開できる。
それにより攻撃者は、クラスター全体に対する実質的なルート・アクセス権限を取得し、セキュリティ制御の回避/機密データへのアクセス/運用妨害を可能にする。
この攻撃ベクターはネットワーク・ベースに分類される。ただし、この脆弱性を悪用する前提として、攻撃者は有効な名前空間管理者の認証情報を所有している必要がある。この要件により、権限昇格の脅威は、外部の未認証の攻撃者によるものではなく、内部関係者あるいは侵害された管理者アカウントに限定される。
すでに Red Hat は、OpenShift GitOps のサポート対象バージョン全体に対して、この脆弱性に対処するセキュリティ・アップデートをリリースしている。この修正により、ArgoCD リソースの作成時にシステムが権限を適切に検証するようになり、権限昇格パスを阻止できるようになる。OpenShift GitOps バージョン 1.16/1.17/1.18 を使用している組織は、提供されているパッチを直ちに適用する必要がある。
さらに、セキュリティ・チームに対して推奨されるのは、クラスター・コンフィグを監査し、名前空間の管理者権限を持つユーザーの一覧を確認することだ。このエクスプロイトは、認証済みユーザーによる権限悪用に依存しているため、ソフトウェア・アップデートの適用に加え、管理者アクセスの厳格な制限と継続的な監視が、依然として重要な防御策となる。
この問題の原因は、管理ツールである Argo CD が Custom Resources という設定ファイルを処理する際の、不適切な権限の検証にあります。本来、OpenShiftでは名前空間ごとに操作できる範囲が厳密に区切られていますが、この検証プロセスを回避する特殊な設定ファイルを作成できるという不備があります。その結果として、特定の範囲だけを任されていたはずのユーザーが、その境界を越えてクラスター全体の最高権限を手に入れてしまうというリスクが生じます。ご利用のチームは、ご注意ください。よろしければ、Argo CD での検索結果も、ご参照ください。
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