CISA 予算から $707 M が削減? サイバー・セキュリティ専門家の批判を招くトランプ大統領の提案

Trump’s Proposed $707 Million CISA Budget Cut a ‘Gift to Nation-State Actors’

2026/04/09 SecurityBoulevard — CISA の予算から $707 million を削減するというトランプ大統領の提案が、サイバー・セキュリティ専門家の間で批判と懸念を招いている。中国やイランからの国家主体のサイバー脅威が増大する中、この削減は合理性を欠くと指摘されているのだ。中国系の脅威グループは、長年にわたり米国ネットワークへ侵入しており、イランとの対立により浮き彫りにされるのは、同国の Islamic Revolutionary Guard Corps や親イラン系ハクティビストの能力と影響範囲である。

これらの脅威は、本来 CISA が防御対象とする範囲である。Bambenek Consulting の John Bambenek は、ホワイトハウスの国家サイバー戦略が重要インフラ防御の優先化を掲げている点を指摘し、それを資金削減下で実現せよというのは不可解だと述べている。

CISA の立場の変化

トランプ第一期政権末期に設立された CISA は、エネルギー/金融サービス/農業/医療/IT といった広範な重要インフラにおける防御と情報の共有を担ってきた。

しかし、当時の長官 Chris Krebs が 2020年選挙の不正を主張を否定したことで、トランプ大統領との関係が悪化した。

機関の再編

トランプ大統領の再選後に、CISA は人員削減と任務縮小に直面した。当時の国土安全保障長官 Kristi Noem は、CISA は “真実の判断” を行うべき立場にはないとし、純粋なサイバー防御機関への回帰を強調した。

現時点で提案されている削減額は予算の約 30% に相当し、それにより政府は、無駄の排除と中核任務への集中を図るとしている。その一方で、外部連携や国際協力の削減も含まれており、機能の低下が懸念されている。

戦略的な誤りという指摘

Merlin Group の Matthew Hartman は、この削減について、最悪のタイミングにおける戦略的誤りだと評価している。同氏の指摘は、CISA が連邦および重要インフラ防御の中核であり、その弱体化はエコシステム全体の弱体化につながるというものだ。中国によるインフラへの事前侵入や、AI を用いるゼロデイ探索の加速などがあり、むしろ脅威は拡大していると、同氏は強調している。

Finite State の Doc McConnell も、国家主体の攻撃が高度化する中で、政府主導の防御機能の重要性は増していると述べている。

詳細不足への懸念

Suzu Labs の Aaron Colclough は、提案内容の詳細が不足しており、削減対象が不明確であると指摘する。ただし、この削減案は、議会への提出前の初期案に過ぎないという可能性がある。

BreachLock の Seemant Sehgal は、CISA の弱体化は、攻撃者への利益供与に等しいと警告する。同氏は、CISA の位置付けについて、政府と民間のインフラを結ぶ重要な情報連携の基盤であるとし、今回の削減が国家インフラを狙う攻撃者に有利に働くと指摘している。