Cursor IDE の脆弱性 CVE-2026-63093 が FIX:信頼できないリポジトリを介したコード実行の可能性

Cursor 0-Day Lets Attackers Execute Malicious Code by Opening a Repository

2026/08/19 gbhackers — 最近公表された Cursor IDE のセキュリティ問題により、Windows 版 Cursor に存在する深刻なバイナリ・プランティング脆弱性が明らかになり、信頼できないリポジトリを開く開発環境で悪意のあるコード実行の恐れが生じている。この脆弱性 CVE-2026-63093 は、Cursor の実行ファイル解決の挙動に関連するものである。それにより、ワークスペースに配置された攻撃者が制御するファイルが、カレント・ユーザー権限で実行される可能性がある。

Cursor のゼロデイ

2025年12月15日の時点で Cursor に対して問題を報告した AI セキュリティ企業 Mindgard が、2026年7月14日に技術的な詳細を公開した。

当初の PoC では、悪意の "git.exe" をリポジトリのルートへ配置する手法が用いられた。Cursor がワークスペースを開くと、"git rev-parse –show-toplevel" などの Git 関連コマンドが実行された。

Windows では、実行ファイルの検索時に、現在の作業ディレクトリが優先される場合がある。そのため、Cursor が完全に信頼されるパスを指定せずに "git.exe" を呼び出すと、システムへインストールされた正規の Git バイナリに先行して、開いたリポジトリ内の不正な実行ファイルが検出される可能性がある。その結果、プロジェクトを開いた開発者のセキュリティ・コンテキストでコードが実行される。

さらなるテストにより、この脆弱性は "git.exe" だけに限定されないことが示された。特定の条件下において、開いているフォルダ内で "pyproject.toml" などの Python プロジェクト・コンフィグ・ファイルが検出されると、Cursor が "hatch.exe" の実行を試みる可能性もある。

悪意のリポジトリには、単純な 2 つのファイルが含まれる可能性がある:

malicious-repository/
├── hatch.exe
└── pyproject.toml

このケースでは、"pyproject.toml" ファイルは明示的なペイロードではなく、トリガーとして機能する。Hatch ツールを参照する基本的なビルド・システム宣言により、Cursor が "hatch.exe" を探索する可能性がある。

ゼロクリック実行の実証 (出典:screetsec)

したがって、対象となるアプリケーションが安全ではない実行ファイル検索プロセスを用いる場合には、ワークスペース内の悪意の "hatch.exe" が自動的に実行される可能性がある。

高リスクと認識されるアーティファクトである、悪意の VS Code タスク/スタートアップ・スクリプト/不審なシェル・コマンドなどが、対象となるリポジトリ内に含まれていない場合であっても、この攻撃が成立する点が特に懸念される。

Screetsec によると、プロジェクトのコンフィグが正規のものに見えても、依存関係に関連する通常のユーティリティを装う、実行ファイルが用いられる可能性がある。

信頼できないコードやプロジェクト設定に対する安全策として、Workspace Trust が提示されることが多い。しかし、Cursor/Trae IDE に関する調査では、信頼制御だけでは実行ファイル探索の挙動に関する問題に対して、完全に対処できない可能性が示された。

Trae では Workspace Trust がデフォルトで有効化されており、ワークスペースを起点とする一部の実行パスが有効化される前に、ユーザーが信頼済みフォルダを選択する必要がある。

これに対して Cursor では、Workspace Trust がデフォルトで無効化されていたと報告されている。そのため、実証された挙動はゼロクリック・シナリオに近く、リポジトリを開くだけで実行がトリガーされる可能性がある。

重要な点は、ワークスペースが信頼済みとしてマークされているかどうかではない。攻撃者の制御下にあるディレクトリから IDE が実行ファイルを探索し、ユーザーによる明示的な承認なしに起動するかどうかである。

防御側は、Cursor から起動される "git.exe" だけを監視すべきではない。この方法では、Python/パッケージ・マネージメント/ビルド・ツール/言語固有のユーティリティを介した、別の実行パスが見落とされる可能性がある。

セキュリティ・チームにとって必要なことは、IDE プロセスがリポジトリのルート/ダウンロード・フォルダ/一時ディレクトリなどの、非標準パスから実行ファイルを起動するプロセスの生成を監視することである。また開発者に求められるのは、リポジトリを開く前に予期しないバイナリが含まれていないかを確認し、特に一般的な開発ツールと同じ名前を持つファイルに注意することである。

このファイル処理および実行ファイル探索に関する脆弱性に対して、その後のリリースで対処したと Cursor は報告している。この調査が IDE ベンダーに突きつけた重要な教訓は、プロジェクト・コンテンツを単なる受動的なソース・コードとしてではなく、潜在的に実行可能なものとして扱うべきという点である。