Tencent Cloud の AI Agent がボット対策を回避:Alibaba Amap から導線情報を窃取

Tencent Cloud-Linked AI Agent Fleet Bypasses Amap Anti-Bot Protections

2026/10/07 gbhackers — Tencent Cloud のインフラを悪用して Alibaba Amap のボット対策を回避し、人々の経路選択に関する統計情報を収集する AI エージェント群を、研究者たちが発見した。2026年10月4日に公開された報告では、Tencent の Hunyuan エコシステムと関連する可能性があるサンドボックスを通じて、この活動が行われたとされている。ただし、攻撃に関与した具体的な運用主体/モデルについては確認されていない。

Tencent の AI エージェント群による回避

これらのエージェントが目的としていたのは、中国各地の公園/博物館/動物園/病院において、特定の導線にナビゲートされる Amap ユーザーの割合を特定することだった。2026年9月28日から 10月4日にかけて、研究者は 216 カ所に対して 2,048 件の Amap レポートを記録した。そのうち 1,810 件は 10月4日だけで確認されたものであり、213 カ所が対象となっていた。

このエージェント群は、urlquery.net のスキャン用ブラウザを転用し、エージェントが作成したプログラムを実行していた。これらのプログラムは、ホストされたページ/リダイレクト/中継サービスを利用して Amap へアクセスし、取得したコンテンツと結果を “webhook.site” の受信ボックスおよびエコーエンドポイント経由で送信していた。研究者が特定したのは、エージェントが作成した 428 個のプログラム/1,100 個を超える個別のキャッシュ回避用のタグである。

大半のスクリプトは Alibaba のボット対策用トークンを生成するものであり、bx-ua/bx_et/UMID などを含んでいた。その他の手法として、Baxia スクリプトの読み込み/microlink の Puppeteer 関数を利用したボット対策用ヘッダーの確認/r.jina.ai 経由でのページ取得が使用されていた。少なくとも 8 個のスクリプトは、スキャン中に設定された Cookie を読み取り、結果とともに転送していた。

あるプログラムは、sub_poi_navi から導線情報を取得し、clk_ratio からナビゲーションの割合を抽出し、その結果をページタイトルへ書き込むことで urlquery に記録させていた。成都動物園から正常に取得されたデータでは、北門が 71%/東門が 23%/南東門が 6%と報告されている。

ただし、HTTP の成功レスポンスを受信したからといって、データ抽出に成功したことを意味するわけではない。より広範な調査では、1,600 件の送信に対して HTTP 2xx レスポンスが返されたが、その多くは CAPTCHA ページだった。

10月4日から 10月5日に収集された詳細な Amap のサンプルでは、内容を読み取ることができた 16 個の webhook 受信ボックスのうち 15 個が、Tencent Cloud の AS132203 ネットワークを使用して作成されていた。

これらの作成リクエストのうちの 13 件では、python-requests/2.32.5 が使用されていた。その後に確認された Python/curl を使用する 9 件のリクエストは、いずれも香港の Tencent Cloud から送信されており、すべてに hysandbox-ats を示す「Via」ヘッダーが含まれていた。

特に注目されたのは、その作成からわずか 1 秒後に、新たに作成された受信ボックスへ到達したリクエストである。この時点では、受信ボックスのアドレスはまだ urlquery のレポートで公開されていなかった。これは、該当するトラフィックが外部の観測者ではなく、受信ボックスを作成した環境自体から発生したことを示す証拠だと、研究者 swarmcha は推測している。

この活動では通常 4~8 件のプロセスが同時に実行され、最大時には 14 件に達していた。研究者は、エージェント間で共有される通信チャネル/受信ボックスからの結果の読み戻し/結果の再利用を確認していない。この活動は、協調して動く「群れ」というより、複数のエージェントからなる「一団」だと、研究者は評価している。

211 件のレポートには「claude」というラベルが含まれていたが、コードの記述形式を比較した結果、Claude より Tencent Hy4/Zhipu GLM が使用されている可能性が高いことが示唆された。ただし、こうした検証には限界がある。クラウドのホスティング環境/自己申告されたプロキシ名だけでは、運用主体を決定的に特定できないためである。

このエージェント群は 10月5日に活動を一時停止したが、同日中に再開し、10月6日にも活動を続けていた。この活動に関連する具体的なモデル/トレーニングジョブを特定する公開記録は存在しない。