MariaDB の複数の脆弱性が FIX:リモート・コード実行/権限昇格の恐れ

Critical MariaDB Vulnerabilities Could Enable Remote Code Execution and Privilege Escalation

2026/10/13 gbhackers — MariaDB のメンテナが公開した、データベースサーバーの構成要素、Linux パッケージ、Connector/C に影響する 10 件の脆弱性は、特定の条件下においてリモート・コード実行/権限昇格/未認可テーブルへのアクセスにつながる可能性があるものだ。一連の脆弱性は、6 件が High、4 件が Moderate に分類されている。

MariaDB の深刻度の高い脆弱性と RCE や権限昇格の恐れ

MariaDB のセキュリティ・アドバイザリによると、最も深刻度が高い CVE-2026-107815 (CVSS:8.5) は、CONNECT ストレージ・エンジンの DOS テーブルに影響を及ぼす。境界チェックの不備を突く攻撃者は、制御可能なオフセットでスタック・バッファの境界を越えて 1 バイトのヌル文字を書き込み、特定の条件下で RCE を引き起こす可能性がある。ただし、悪用には低い権限レベルが必要であり、攻撃の複雑さも高いため、未認証の攻撃者が容易に悪用できる脆弱性ではない。

CVE-2026-107821 (CVSS:8.0) は、バイナリ形式の “.frm” テーブル定義ファイルの検証不備に起因し、細工されたファイルの処理に応じて、異常終了/境界外読み取り/境界外書き込みを引き起こし、RCE につながる可能性がある。なお、悪用には FILE 権限に加え、secure-file-priv の設定によってデータベース・ディレクトリへのアクセスが許可されている必要がある。


オプションのプラグインには、深刻度が中程度の 2件の脆弱性が存在する。CVE-2026-107817 は、mysql_json による不正な形式のバイナリ JSON データの処理時に、境界外読み取りが引き起こす可能性がある。一方、CVE-2026-107816 が悪用されると、ヌルバイトを含むクエリにより、qc_info がヒープバッファの境界を越えてデータが読み取られる可能性がある。

CVE-2026-107814 (CVSS:8.4) は、データベースディレクトリを mysql アカウントのホームディレクトリに設定した MariaDB の RPM パッケージに影響する。FILE 権限を持つ攻撃者が、管理者による当該アカウントのログイン・シェル起動時に実行される、シェルの起動設定ファイルを作成する可能性がある。ただし、Debian パッケージは影響を受けない。

同じく CVE-2026-107818 (CVSS:8.4) を悪用する FILE 権限を持つ攻撃者は、ファイルへの書き込みが許可されている条件下で、/run/mysqld/wsrep-new-cluster を作成できる。それにより、次回のサービス起動時に攻撃者が制御する環境ファイルを読み込むことで、権限昇格を引き起こす可能性がある。

CVE-2026-107822 はアクセス制御キャッシュにおけるユーザー名とロール名の衝突、CVE-2026-107823 はビューのメタデータの不適切な解析に起因し、いずれも権限昇格につながる可能性がある。両者の悪用には管理者権限が必要であり、CVE-2026-107823 については GRANT OPTION を伴う CREATE VIEW 権限も必要である。

CVE-2026-102523 は、パーティション変換処理において、パーティション名がファイル・システム向けに適切にエンコードされないことに起因し、未認可のテーブル読み取りや変更を引き起こす可能性がある。サーバ側の脆弱性の大半について、影響を受けるバージョンが公表されているが、この脆弱性は MariaDB 10.6 系には影響しない。

サーバ側の脆弱性の大半は、以下のバージョンに影響する。

バージョン系列主な影響対象バージョン修正済みバージョン
10.610.6.1~10.6.2710.6.28
10.1110.11.1~10.11.1810.11.19
11.411.4.1~11.4.1211.4.13
11.811.8.1~11.8.811.8.9
12.312.3.1~12.3.212.3.3
13.013.0.113.0.2

CVE-2026-107819 は MariaDB Connector/C 3.4.1~3.4.9 に影響し、能動的な中間者攻撃 (MITM) により、接続先のホスト名と一致しない証明書を提示されると、平文パスワード認証を有効化してしまう可能性がある。この問題は Connector/C 3.4.10 で修正されており、MariaDB のその他のコネクタには影響しない。

管理者にとって必要なことは、修正版へのアップデートを優先し、不要な FILE 権限の取り消し/ファイルアクセスの制限/未使用の脆弱なプラグインの削除を行った上で、RPM パッケージにおける mysql アカウントの、ホームディレクトリ設定の修正を実施することである。今回の脆弱性の多くは、悪用に際して特定の権限や設定条件を必要とする。したがって対策に当たっては、各脆弱性の悪用条件を確認することが重要である。つまり、インターネットに公開された MariaDB サーバが、未認証の攻撃者により一律に侵害されるわけではない。