Amazon gets $888 million GDPR fine for behavioral advertising
2021/07/30 BleepingComputer — Amazon だが、ターゲット行動広告の実施方法に関する GDPR 違反の疑いで、€746 million ($887 million : 970億円)という記録的な罰金を科せられた。この罰金は、個人情報の収集と使用の合法性を監視するために設立された、独立公的機関であるルクセンブルグの CNPD (Commission nationale pour la protection des données) から要求されたものだ。本日に提出された SEC Form 10-Q において、この巨額の罰金は、2021年7月16日に CNPD から科されたものであり、個人データの不適切な処理に対するものとされると、Amazon は述べている。
また、同社は、「この決定は、€746 million の罰金と、それに対応する慣行の修正を課すものだが、当社としては、CNPD の決定には価値がないと考えており、この件に関しては積極的に弁護するつもりだ」と述べている。今回の決定は、2018年に La Quadrature du Net が、Amazon Europe Core SARL / Amazon EU SARL / Amazon Services Europe SARL / Amazon Media EU SARL / Amazon Video Limited に提出した訴状によるものだ。この訴状では、Amazon がユーザーの行動を分析して、ターゲット広告に使用するプロファイルを構築していると指摘されている。そして、この行動プロファイルの作成は、ユーザーの同意なしに行われており、GDPR に違反すると主張している。
Amazon は BleepingComputer に対し、今回の罰金はデータ漏洩や顧客データへの不正アクセスに関連するものではなく、広告の実行方法に関するものだと述べている。さらに Amazon は、今回の決定は GDPR プライバシー法の、主観的かつ未検証の解釈に基づいているとも主張している。Amazon は BleepingComputer への声明の中で、「CNPD の判決には全く同意できず、控訴するつもりだ。顧客に関連する広告を、どのように表示するかに関連する決定は、欧州のプライバシー法の主観的で未検証の解釈に依存している。さらに言えば、提示された罰金は、その解釈とさえも全く比例していない」と述べている。今回の制裁金は、欧州連合が GDPR 違反に科した制裁金としては過去最大だ。本決定以前の最大の制裁金は、Google アカウントの作成時や広告の実施時において、ユーザー・データが処理されるに、正式な同意が得られなかったとして、同社に科された €50 million (当時 $56.6 million) である。
それにしても、金額の大きい罰金ですね。ちょっと信じられない要求です。まぁ、マーケットをごっそりと持っていかれる EU としては、いわゆるショバ代を払ってもらおうという魂胆なのでしょう。Amazon も徹底的に争うつもりのようなので、この先の法廷での展開に興味津々です。話は飛んでしまいますが、先日に Amazon Prime で「ノマドランド」という映画を観ました。車上生活で旅をし続ける主人公は、ときおり Amazon の倉庫で働き、そこで得た収入で、また旅を続けるのですが、何度か挿入される広大な倉庫のシーンには、ある種の破壊的なパワーを感じます。でも、良し悪しは別にして、そこから、上前をかすめようという EU も、圧倒的なパワーを持っています。米国の TV ネットワークから、しっかりと放映権料を巻き上げてくる IOC とも、なんとなく重なり合う構造を感じてしまいます。