Google: How Android’s Private Compute Core protects your data
2022/12/08 BleepingComputer — Google は、Android 上のPrivate Compute Core (PCC) 機能のフローと、保護されたデバイス上でローカルに処理される機密ユーザー・データの保持について、より詳細な技術情報を開示した。Android 12で導入されたPCC は、GPS/センサー/マイク/カメラ/スクリーンからのデータを保存/処理し、ユーザーに機械学習機能を提供する、オペレーティング・システム内の安全で分離された信頼できる環境である。

それらのインテリジェントな機能の例として挙げられるのは、マイクを使用して音声認識を行う Live Caption や、楽曲を認識する Now Playing、メッセージング・アプリで返事を提案する Smart Reply などである。
PCC の仕組み
この保護されたサンドボックスで処理される、環境/OS レベルのデータは、ASI システムを介して Android 端末のインテリジェント機能を有効にするために使用される。ただし、それらのデータは、アプリケーションやリモートサーバから手の届かないところに置かれるため、ユーザーのプライバシーは保護される。
PCC とアプリとの分離は、すべての PCC データの入出力に Android Framework API を使用することで達成され、OS のインストール時に付与される権限により、容易に実現される。
この許可の変更は、OS のアップデートのみに限定されるため、いかなるアプリやリモートサーバ接続であっても、その再変更は不可能である。
Android 端末に侵入したマルウェアに対するデータ保護について、PCC が与える影響について Google に問い合わせたところ、以下のコメントが得られた。
Google は、「PCC が機能することで、マルウェアによる OS の悪用は難しくなる。PCC はデバイスの機能に対して、必要以上に長くデータを保存しないなど、ベスト・プラクティスに従ったデータ処理を保証するため、本質的にマルウェアのリスクを低減する。ただし、PCC はユーザーのデータ・プライバシーに特化して設計され、マルウェアに対する追加のセキュリティ保護を担うものではない」と述べている。
このデータ・シーリングには、Google も対象として含まれる。すべてのユーザー・データ処理が、デバイス上の PCC 飛び地内でローカルに処理されるためである。もし ML 機能が、外部エンドポイントとの間で、それらのデータをやり取りする場合には、Google の Private Compute Services が暗号化されたやり取りを可能にする。

Private Compute Services (PCS) とは、PCC とクラウドの間にプライバシーを保護するリンクを提供する、サービスの集合体のことである。Google による透明性へのコミットメントの一環として、最近にオープンソース化された PCS だが、そのソースコードは GitHub リポジトリで公開されている。
Google によると、PCC の改善は使用状況に基づく学習と分析を活用するかたちで行われ、機械学習モデルのパフォーマンスはプライベート情報検索を用いて監視されるという。
Google はセンタライズされたデータ収集に依存せずに、統合的な分析と学習により MLモデルを訓練し、ユーザーのデバイス上でデータ分析計算をローカルに実行できる。この PCC の機械学習機能は、Android OS のシステムの一部であるため、引き続きアップデート可能であり、独自に進化し続けることも可能だ。
とはいえ、PCC はユーザーのコントロールの外に存在するわけではない。たとえば、センサーのトグルを OFF にすると、PCC を含む OS 全体でのデータの生成/送信が停止される。
さらにユーザーは、Settings > Google > Personalize using shared data でアプリ・データをパーソナライズし、ML 機能をサポートするアプリのトグルを OFF に設定することで、PCC とのデータ共有を制限できる。

なお、PCC の動作や機能特性の詳細については、Google のエンジニアが Arxiv.org で技術論文を発表している。
機械学習でプライバシー保護と言っても、データを Google に送ってしまうのでは、プライバシーが担保されないと思ってしまいますが、「Google はセンタライズされたデータ収集に依存せずに、統合的な分析と学習により MLモデルを訓練し、ユーザーのデバイス上でデータ分析計算をローカルに実行できる」と文中に記されています。昨今のスマフォの計算能力の凄さに、驚くばかりです。ちなみに、自分の Pixel 3a で Personalize using shared data を開けてみたら、10個以上のアプリがリストに出てきました。 どれを ON/OFF すれば良いのやらという感じです。

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