SaaS ポートフォリオ合理化の必要性:企業内の SaaS アプリの 51% がシャドー IT

53% of SaaS licenses remain unused

2023/07/04 HelpNetSecurity — 早急な対策を講じるべきだと Productiv が指摘しているのは、企業における調達/IT/財務部門のリーダーに対するものであり、支出とガバナンスの問題が制御不能に陥るのを防ぐための、SaaS (Software as a Service) ポートフォリオの合理化である。同社は、過去3年間に約1億の SaaS ライセンスが、どのように使用されたかを分析し、1,000億以上のアプリ使用データ・ポイントを含む、SaaS の成長/支出/統合/使用に関する、きわめて重要な SaaS の統計/洞察に関するレポートを提供している。


Productiv の CEO である Jody Shapiro は、「現在、すべての企業が直面しているコスト削減の必要性を考慮すると、CFO が早急に取り組むべきことは SaaS アプリを適切に特定/統合することだと、我々のデータは示している。ソフトウェアの購入/更新を止めることは出来ないが、調達プロセスを最良の状態にするには、データの活用が重要となる。それにより、どのソフトウェアを購入/更新/縮小/統合するかについて、IT/調達/財務/部門を越えた、共同での決定が必要となる」と述べている。

企業が SaaS 支出管理を改善しても SaaS の成長は衰えない

Productiv の調査によると、SaaS のポートフォリオは 2021〜2023年に 32% も増加し続け、過去最高を記録したという。現在、企業は平均で 371 種類の SaaS アプリを使用しているという。

2022年と比べてシャドー IT が 8% 減少したというデータから、企業は SaaS に関する適切な調達とガバナンスの確立を試みていると窺える。しかし、従業員や事業部門は、IT の管理外で独自のソフトウェアを高い比率で購入し続けており、企業内の SaaS アプリの 51%は、依然としてシャドー IT のままだ。

管理が強化されるいるが SaaS への支出は依然として高止まり

Productiv の調査結果によると、全契約に占める1年契約の割合は、2020年の 79%から 2022年には 85%へと増加しており、企業はニーズが変化した場合において、アプリに関連するコストを削減していることが示唆される。

しかし、一般的な企業の 2023年においては、従業員1人当たり $9.6K が SaaS アプリに費やされており、中小企業は大企業と比べて、従業員1人当たり 49% も支出が大きくなっている。

SaaS の利用動向: ChatGPT が急成長、アプリ統合は失敗

Productiv は、ChatGPT の人気が急上昇していることも発見している。主な使用例としては、メールやマーケティング・コンテンツの作成/会議メモの要約/問題の調査/コードの作成/コーディング・バグの発見などが挙げられている。

ChatGPT を最も使用している部門は、マーケティング (10位) /エンジニアリング (9位) /プロダクト (10位) である。Productiv によると、2023年にはプロジェクト管理や採用ツールなどの主要カテゴリーで、SaaS アプリの数が 11%減少することが判明しており、企業がアプリの統合に注力していることがうかがえる。しかし、カテゴリーごとの平均のアプリ数は、依然として 2021年よりも多い。

Productiv の CIO である Aashish Chandarana は、「我々のレポートで、ChatGPT のシャドー・ユースが広がっていることが明らかになった。企業は、セキュリティ・リスクを回避しながら ChatGPT を利用して、イノベーションを促進する方法を考えなければならない時期に来ていると言える。シャドー IT を回避するために、企業は適切な SaaS ガバナンス・ポリシーを策定する必要がある。このポリシーは、チームが無料/有料で使用するアプリをシャドーから取り出し、調達/セキュリティ/コンプライアンスに関する適切なレベルの、企業ポリシーを確保するのに役立つ」とコメントしている。

この Productiv のレポートですが、10ページほどのものですが、重要なデータがグラフで視覚化されていて、とても分かりやすいものとなっています。ぜひ、ダウンロードして、ご参照ください。まさに SaaS 全盛の時代ですが、この記事で指摘されている問題が残っていることも確かですね。よろしければ、以下の関連記事も、ご参照ください。

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