Dark Web Market Revenues Rebound but Sector Fragments
2024/02/29 InfoSecurity — Chainalysis の最新データによると、ダークウェブ・マーケット・プレイスの管理者と販売者たちは、2023年において前年よりも好調な展開となり、推定で $1.7bn 相当の暗号通貨ベースの収益を上げている。このブロックチェーン分析会社である Chainalysis は、過去1年間にわたるアンダーグラウンドのマーケットプレイスや、詐欺ショップからの暗号通貨の流れを調査したという。
![](https://iototsecnews.jp/wp-content/uploads/2024/03/chainalysis.png?w=707)
業界最大手の Hydra が、ドイツ当局により閉鎖されるという、この業界にとって激動の 2022年が過ぎ、この収益の増加がもたらされた。
Hydra に代わってトップに立ったのは、$5 million の暗号資金が流入した Mega Darknet であり、それに続いたのが Kraken Market と Blacksprut であるという。
しかし、Silk Road/AlphaBay/Wall Street Market/Hydra などが支配していた時代から比べると、このセクターは全体的に細分化が進んでいるという。現在では、上記のマーケット・プレイスが閉鎖される前のように、単一のプレイヤーが支配する状況にはなく、特定タイプのプロダクトやサービスへと、管理者たちの興味は移行している。
Chainalysis は、「長年にわたって、いくつかの市場は、マネーロンダリング/不換紙幣/ランサムウェア/マルウェア攻撃などのサイバー犯罪活動を可能にする、不正なプロダクト/サービスの強力なカタログを提供していた。この種の洗練されたダークネット・マーケットの1つだった Hydra は、すべてを提供していた」と説明する。
しかし、それとは対照的に、今日のダークネット・マーケットは、特定のニッチなプロダクト/サービスを提供している。昨年に、ダークネット市場への流入元を調査した際に判明したのは、独自の犯罪機能ごとに個別化され組織化されている状況だ。
それらの機能とは
ランサムウェアやマルウェアなどのサイバー犯罪以外にも、ルートキット販売/個人を特定する PII へのアクセス/盗んだ資金のオフランプ (offramping) などの、別系統のサイバー犯罪が台頭している。
- 薬物の調達と供給:ダークネット市場の他ベンダーへの薬物の販売
- 不正な資金の洗浄/購入:オンチェーンでの活動を難読化し、違法プロダクト/サービスを購入するためのダークネット市場への送金
- 世界各国の麻薬取引所:世界的な顧客基盤を持つダークネット市場で行われる麻薬購入
- ロシア向け麻薬取引所:ロシアの顧客による麻薬購入
- 欧米向け麻薬取引所:米国および西ヨーロッパを拠点とする顧客による麻薬購入
さらに Chainalysis によると、ロシアでは、巨大な 3D ビルボード (Kraken Market) や、地下鉄の車内のQRコード (Mega Darknet Market) などで、自社のビジネスを公然と宣伝している市場もあるという。
さらに、数多くの詐欺ショップは、自社におけるコストを削減し、運営効率を高めるための、セキュリティを向上させる方法として、UAPS などのサードパーティの暗号決済プロセッサを、API コールを介して提供していると付け加えている。
サイバー攻撃に対抗するために、さまざまな防御策が講じられていますが、脅威アクターたちの経済についても理解する必要があると思います。国家に支援され、スパう行為を行う APT とは異なり、経済目的のサイバー犯罪者にとって、最も重要なファクターは ROI なのだろうと思うようになってきました。とにかく、低コストで大きなリターンを得るという戦略が、彼らの基本となっているようです。その意味で、この Chainalysis レポートは、なかなか良い感じです。よろしければ、カテゴリ Statistics も、ご利用ください。
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