Microsoft Researcher to Unveil 4 OpenVPN Zero-Day Vulnerabilities at Black Hat USA 2024
2024/05/02 SecurityOnline — 2024年8月上旬に開催される Black Hat USA 2024 Conference において、OpenVPN に存在する一連の深刻なゼロデイ脆弱性に関するプレゼンテーションが、Microsoft の Senior Security Researcher である Vladimir Tokarev から行われる予定だ。OpenVPN は、全世界で何百万ものエンドポイントに使用されている、世界有数の VPN ソリューションである。コードネーム “OVPNX” と命名された、これらの脆弱性は、Windows/iOS/macOS/Android/BSD などの広範なプラットフォームのセキュリティ・リスクを露呈し、世界中の何千もの企業に影響を与える可能性がある。

Vladimir Tokarev によるプレゼンテーション “OVPNX: 4 Zero-Days Leading to RCE, LPE and KCE (via BYOVD) Affecting Millions of OpenVPN Endpoints Across the Globe” では、OpenVPN のリポジトリ内に発見された、4つのゼロデイ脆弱性の詳細な情報が説明される予定だ。強固なセキュリティ機能で知られる OpenVPN は、カーネル・コンポーネントとの相互作用を含め、さまざまな権限レベルにまたがる複雑なマルチプロセス・システムとして動作する。今回に発見された一連の脆弱性により、このような複雑なシステムの相互作用と OS API への依存が悪用されるという、脅威アクターが活用できる重大な弱点が明らかになった。
悪用のチェーンは、OpenVPN のプラグイン・メカニズムを標的としたリモート・コード実行攻撃から始まり、急速にエスカレートしていく:
- リモート・コード実行 (RCE:Remote Code Execution) :脆弱性の悪用に成功した攻撃者は、OpenVPN のプラグイン・メカニズムの欠陥をターゲットにエクスプロイトを開始し、システム上で任意のコードを実行する可能性がある。
- ローカル権限の昇格 (LPE:Local Privilege Escalation):この攻撃は、OpenVPN システム・サービスのスタック・オーバーフローを悪用し、NT システム・サービスをクラッシュさせ、名前付きパイプ・インスタンス作成の競合状態を引き起こす。
- BYOVD (Bring Your Own Vulnerable Driver) によるカーネルコード実行 (KCE:Kernel Code Execution):攻撃チェーンの最終段階では、OpenVPN の名前付きパイプ・リソースを強奪し、攻撃者が特権ユーザーになりすますことで、脆弱な署名付きドライバーをロードし、カーネル・レベルでのコード実行が可能になる。
この攻撃チェーンは、OpenVPN を悪用する手法が極めて高度なことを示すものであり、システムの完全な侵害/データの漏洩や、潜在的には広範なネットワークの混乱につながる可能性がある。
Black Hat USA 2024 で Vladimir Tokarev が行う予定のプレゼンテーションでは、これらの脆弱性を分析し、潜在的な悪用からネットワークを保護するための、重要な緩和テクニックが提供されるという。参加者は、これらの深刻な脆弱性からシステムを保護するために、直ちに適用できる防御戦略についての洞察を得ることができる。また、これらの攻撃が発生するプロセスと、組織による効果的な緩和の方式を実践的に示す、悪用チェーンのライブ・デモンストレーションも実施される予定だ。
Black Hat USA 2024 は、2024年8月3日〜8日に、Mandalay Bay Convention Center で開催される。
OpenVPN の脆弱性が、Black Hat 2024 で公開されるとのことです。ただし、現時点では CVE は採番されておらず、詳細についても僅かな情報が提供されるのみです。おそらく、OpenVPN に依存する各ベンダーなどに対しては、すでに報告が行われており、8月の Black Hat での公開時には、パッチが適用された状態になるのだと思います。よろしければ、OpenVPN で検索も、ご参照ください。
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