Outlook とメール暗号化の問題:2月28日リリースのバージョンだと返信できない?

Microsoft shares temp fix for Outlook encrypted email reply issues

2024/05/16 BleepingComputer — Microsoft が共有したのは、Outlook デスクトップ・クライアントで暗号化された電子メールに対して返信できないという、Microsoft 365 顧客にとっての既知の問題に関する一時的な修正である。それにより確認されたのは、この数カ月の間に Microsoft コミュニティの Web サイトで共有された、クラシック Outlook クライアントを使用した場合の問題である。ネット上の報告によると、Outlook を再インストールしても、あるいは、影響を受けたメール・アカウントのプロファイルを作り直しても、この問題は解決されないという。


5月16日 (木) のサポート文書で Microsoft が説明しているように、この問題が影響するのは、2月28日にリリースされた Current Channel Version 2402 (Build 17328.20142) 以上を使用する、Microsoft 365 の顧客のみとなる。

また、Microsoft Purview Message Encryption (OMEv2:Office 365 Message Encryption) を用いて暗号化された、電子メールに返信する場合にのみ影響が生じるという。

影響を受けるユーザーが、Microsoft の暗号化を使用したメッセージに対して返信しようとすると、”Microsoft Outlook was not able to create a message with restricted permission”というエラーメッセージが表示される。

暗号化された電子メールの返信エラー(Kae Carroll)
公式の回避策

Microsoft の言う一時的な解決策は、新しい Outlook または Outlook Web Access (OWA) を使用して、暗号化された電子メールに対しては返信できるというものだ。

また、受信した暗号化メールに返信する際に、使用できるのが Outlook Desktopアプリだけの場合は、最後に動作したビルドへと戻すことでも対応できる。

そのためには、Windows の検索ボックスに Command Prompt と入力した後に、Command Prompt を右クリックし、管理者として Run をクリックする必要がある。

続いて、以下のコマンドを Command Prompt ウィンドウに貼り付け、それぞれ行末で Enter キーを押す:

cd %programfiles%Common FilesMicrosoft SharedClickToRun
officec2rclient.exe /update user updatetoversion=16.0.17231.20236

なお、先月にも Microsoft は、2023年12月の Outlook Desktop のセキュリティ更新プログラムが原因となる、ICS カレンダー・ファイルにおける誤ったセキュリティ警告について、Outlook の修正プログラムをロールバックした。

最近では、Outlook デスクトップ・クライアントが、Exchange ActiveSync 経由で電子メール・サーバと同期しなくなるという問題や、デスクトップとモバイルの電子メール・クライアントの双方で、Outlook.com ユーザーに接続問題が生じるというバグも修正されている。