BlackBerry Cylance のデータがダークウェブで販売されている:Snowflake 侵害との関連性は?

Cylance confirms data breach linked to ‘third-party’ platform

2024/06/10 BleepingComputer — サイバーセキュリティ企業 Cylance は、ハッキング・フォーラムで販売されているデータの正当性を認めた上で、サードパーティのプラットフォームから盗まれた古いデータだと述べている。Sp1d3r と呼ばれる脅威アクターが、盗み出されたデータを $750,000 で販売しているのを、最初に見つけたのは Dark Web Informer である。このデータには、顧客/従業員の電子メール 34,000,000件、および、Cylance のユーザー/パートナー/従業員たちを特定できる情報などの、相当量の情報が含まれているようだ。


その一方で研究者たちは、流出したサンプルは、Cylance が使用していた古いマーケティングデータのようだと、BleepingComputer に対して述べている。

BlackBerry Cylance は、「脅威アクターの主張を認識して調査しているが、顧客/製品/業務に関連する BlackBerry のデータ/システムは侵害されていない。問題のデータのレビューを開始したところだが、現時点で Cylance の顧客は影響を受けておらず、機密情報とは関連しない。問題のデータは、BlackBerry とは無関係なサードパーティのプラットフォームからアクセスされたものであり、BlackBerry が Cylance を買収する以前の、2015年〜2018年のものと思われる」と述べている。

Cylance data for sale
Cylance data for sale (Dark Web Informer)
Snowflake 攻撃との関連性

盗まれたデータについて、同社は古いものだと主張しているが、それを盗むために侵入されたサードパーティ・プラットフォームの名前については、現時点で明らかにされていない。

その一方で、Sp1d3r という脅威アクターは、同社の Snowflake アカウントを侵害した後に、自動車アフター・マーケット・パーツ業の Advance Auto Parts から盗んだ、3TB のデータも販売している。

Cylance が Snowflake の顧客であり、その Web 管理コンソールが “https://cylance.snowflakecomputing.com/” であることを、BleepingComputer は確認している。

最近になって発生している、Santander/Ticketmaster/QuoteWizard/Lendingtree における侵害も、Snowflake への攻撃と関連している。Ticketmaster の親会社である Live Nation も、5月20日に Snowflake のアカウントが侵害された後に影響が生じたと認めている。

CrowdStrike と Mandiant との共同アドバイザリーによると、この攻撃者は、盗まれた顧客認証情報を使用して、多要素認証保護がないアカウントを狙ったと、Snowflake は述べているようだ。

今日になって Mandiant が発表したのは、同社が UNC5537 として追跡している経済犯と、Snowflake への攻撃を関連付けるレポートだ。この脅威アクターは、2020年ころから発生している、インフォ・スティーラー・マルウェアによる侵害で窃取された顧客認証情報を悪用して、Snowflake の顧客アカウントにアクセスしていたという。

Mandiant は、2024年5月から UNC5537 を追跡している。この金銭的な動機に基づく脅威アクターは、世界中の数百もの組織を標的にして、金銭的な利益のために被害者たちを恐喝している。

UNC5537 attack timeline
UNC5537 Snowflake attack timeline (Mandiant)


UNC5537 について、Mandiant は詳細な情報を共有していないが、この脅威アクターは、Web サイト/Telegram/Discord サーバに頻繁に出入りして、共同で攻撃を行う大きな犯罪コミュニティの一部であることを、BleepingComputer は確認している。

Mandiant は、「影響を受けたアカウントでは、多要素認証が有効化されておらず、認証に必要なのは有効なユーザー名/パスワードのみだった。

インフォ・スティーラーにより窃取された認証情報は、数年が経過しても有効なケースもあり、ローテーションやアップデートは行われていなかった。また、影響を受けた Snowflake 顧客のインスタンスには、信頼できる場所からのアクセスだけを許可する、ネットワーク許可リストが存在しなかった。

Mandiant によると、遅くとも 2020年以降において、Vidar/RisePro/Redline/Racoon Stealer/Lumm/Metastealer などのマルウェア攻撃で暴露された数百の顧客の、Snowflake 認証情報を確認しているという。

現時点において、Snowflake と Mandiant は、これらの継続的な攻撃に遭遇する可能性のある約 165の組織に対して、通知を行っているという。