Google’s Privacy Sandbox Accused of User Tracking by Austrian Non-Profit
2024/06/14 TheHackerNews — Google Chrome の Privacy Sandbox において、サードパーティのトラッキング・クッキーを非推奨にする計画だが、新たな問題にぶつかっている。この機能は、依然としてユーザー追跡のために使用できると、オーストリアのプライバシー非営利団体 noyb (none of your business) が指摘しているのだ。
noyb は、「いわゆる “Privacy Sandbox “は、きわめて浸潤性の高いサードパーティ・トラッキングを改善するものとして宣伝されているが、現在でも Google 自身により、ブライザ内でトラッキングは行われている。それを行うには、理論的にはユーザーからのインフォームド・コンセントが必要である。したがって Google は、”Turn on an ad privacy feature” に見せかけてユーザーを騙している」と指摘している。

活動家 Max Schrems がウィーンで設立した非営利団体は、「言い換えれば、ユーザーにプライバシー機能の有効化を同意することで、つまり、Google のファースト・パーティ広告トラッキングに同意することで、いまもトラッキングされ続けている」と、オーストリアのデータ保護当局に提出した訴状の中で主張している。
Privacy Sandbox とは、Google が打ち出した提案であり、秘密裏に追跡するための技術をブロックし、サードパーティとのデータ共有を制限する一方で、Web サイト運営者からはカスタマイズされた広告の提供を可能にするものだ。
しかし、規制当局や開発者から寄せられた懸念やフィードバックに対応するために、Chrome のサードパーティ・クッキー廃止の計画は何度も延期されている。そして 2024年4月の時点では、来年の早い段階でサードパーティ・クッキーを段階的に廃止する意向であると述べていた。
この間に Google は、テスト作業を強化しており、全世界の Chrome ユーザーの 1% に対して、2024年 Q1 からサードパーティ・クッキーを廃止する予定としていた。
上記の方法により、ユーザーはトラッキングへの同意/拒否を選択できるが、noyb が非難するのは、同意率を高めるためにダーク・パターンが使用され、広告トラッキングからのユーザー保護において、誤解を招くように装っているからである。
さらに Noyb は、サードパーティのクッキー追跡メカニズムと比べて、Privacy Sandbox が浸潤的ではないとしても、この地域のデータ保護法に違反する権利が、Google に与えられてはならないと主張している。
Max Schrems は、「同意が合法的であるためには、提供される情報に透明性があり、かつ、公正でなければならない。しかし Google は正反対のことをしている。他の泥棒よりも、盗む金額が少ないだけで、”富を守る代理人” を名乗ることはできない。つまり、ここで Google が行っていることは、基本的にそういうことだ」と非難している。

Google は Reuters に寄せた声明の中で、「Privacy Sandbox は、既存の技術と比べて、意味のあるプライバシーの改善を提供するものだ。すべての利害関係者のニーズを満たす、バランスの取れた結果に到達するよう努力する」と述べている。
テック・ジャイアントによるプライバシー侵害の疑いがあるとして、noyb が EU の監視機関に対して苦情を申し立てたのは、今回が初めてのことではない。
2024年4月の初めに noyb は、ChatGPT メーカーの OpenAI が、個人に関する虚偽の情報を振りまくことが、GDPR 法に違反していると非難した。
また、友人や家族とのプライベートなメッセージや、18歳未満のヨーロッパ人のアカウントを除き、公開されているユーザーのデータを、不特定の AI 技術の訓練や開発に利用する Meta の計画について、正当な利益から逸脱していると批判した。
その後に Meta は、「当社が開発する AI モデルは、それを使用するヨーロッパの人々の、多様な言語/地理/文化的背景を反映した、関連情報に基づき訓練される必要がある。さらに、Google や OpenAI などの企業は、すでにヨーロッパのユーザーから取得したデータを用いて AI モデルを訓練している。当社のアプローチは、一般に公開された情報を使用して、モデルを訓練している同業他社と比べて、より透明性が高く、より簡単なコントロールを提供している」と回答している。
言われてみれば、文中でイメージが紹介されている “Turn on an ad privacy feature” を見かけたような気がします。そしても、この Google のアクションが、ユーザーを欺くものだとして、痛烈に批判されているわけです。おそらく、続報もあるのではないか、と思わせる展開です。よろしければ、Chrome + Sandbox で検索も、ご利用ください。
You must be logged in to post a comment.