Cisco から盗まれた 4.5 TB のデータ:IntelBroker が第二弾のサンプル 4.84 GB を公開

Hackers Release Second Batch of Stolen Cisco Data

2024/12/27 HackRead — 2024年10月に発生した、Cisco のデータ・インシデントで盗まれたとされる第二弾のデータが、ハッカーにより公開された。この侵害を背後で操る IntelBroker によると、12月24日に Breach Forums で公開された最新リークには、盗み出されたとされる 4.5 TB のデータの一部である、4.84 GB 分が含まれているという。

概要

IntelBroker の主張:2024年10月の Cisco 侵害から抽出されたデータの、第二弾のサンプルである 4.84 GB を公開し、全体である 4.5 TB の一部であると主張している。

漏洩したデータの内容:このデータに含まれるのは、ソフトウェア・アーティファクト/ネットワーク・コンフィグ情報/テストログ/クラウド・サーバ・イメージ/暗号化された署名などを取り込む機密ファイルが含まれており、知的財産や運用構成などが漏洩している。

ミスコンフィグ・リソースの悪用:一連のデータは、ミスコンフィグによりパスワード保護なしで公開された、オープンな DevHub リソースから取得された。つまり、ハッカーに対して、ダウンロードを許す状態にあった。

Cisco の対応:Cisco はインシデントを認め、パブリック・アクセスの無効化に対処し、機密データの侵害や漏洩がないことを確認したが、この主張に対してハッカーは異議を唱えている。

IntelBroker の実績:このハッカーは、Apple/AMD/Europol などへの侵害で知られており、ミスコンフィグされたシステムの悪用が止まらないという、サイバー・セキュリティにおける根深い問題を浮き彫りにしている。

Hackread.com が確認したように、漏洩したデータには大量の機密ファイルが含まれている。具体的に言うと、Java バイナリ/ソース コード/アプリケーション・アーカイブといったオリジナルのソフトウェア開発成果物がある。それに加えて、Cisco XRv9K 仮想ルーターのイメージや、ネットワーク関連のコンフィグ・ファイル/テストログやスクリプト/Zero Touch Provisioning (ZTP) ログ/パッケージなどの運用データ/クラウド・サーバのディスク・イメージ/Weixin Pay などの支払い SDK の暗号署名などもある。

IntelBroker on Breach Forums (Screenshot credit: Hackread.com)

さらに、この漏洩データに含まれるものには、コンフィグ・ファイル/内部プロジェクト・アーカイブなどの、各種のドキュメントがあるため、知的財産/ネットワーク・コンフィグ情報などの構、運用上の情報が漏洩する可能性もある。

File tree shared by IntelBroker on Breach Forums (Screenshot credit: Hackread.com)
背景

注目すべき点は、今回のインシデントで漏洩したデータは、Cisco がパスワード保護やセキュリティ認証なしで公開してしまった、ミスコンフィグされた公開 DevHub リソースから発生したことにある。それによりハッカーは、2024年10月の時点で、データセット全体のダウンロードを達成した。

ミスコンフィグサーバにアクセスした IntelBroker は、4.5 TB の情報を抽出できたと主張している。第一弾のサンプルとして、2.9 GB のファイルを含むデータの一部が2024年12月17日に公開されている。

Cisco の対応

2024年10月に派生したインシデントを認めた Cisco (PDF) は、一般公開を無効化したと述べている。さらに同社は、自社サーバは侵害されておらず、機密データは漏洩していないことを確認したと主張している。その一方でハッカーは、抽出したデータを公開し、Cisco の主張に対して反論している。

この漏洩に関して、Cisco はインシデント対応ページで、IntelBroker の主張を認識しており、今回に公開されたデータについて、2024年10月14日のインシデントに由来するものであると述べている。

Cisco の声明は、「2024年12月25日 (水) 東部標準時 17:07:脅威アクター IntelBroker は、さらなるデータの公開について X に投稿した。東部標準時 17:40:IntelBroker は BreachForums で 4.45 GB のデータを公開した。投稿データを分析したところ、2024年10月14日の、既知のデータセットと一致している」というものだ。

IntelBroker による過去の侵害

IntelBroker は、その一連のデータ侵害で注目を集めている。2024年6月に、このハッカーは Apple Inc.に侵入し、社内ツールのソースコードを盗んだと主張した。さらに、AMD (Advanced Micro Devices) に侵入し、従業員と製品の情報を盗んだと主張している。

また、2024年5月には、IntelBroker は Europol をハッキングしたと主張し、その後に、同機関は侵害を認めている。このハッカーによる、過去のデータ侵害の一部を以下に示す。

IntelBroker がリークする漏洩情報は、ミスコンフィグされたシステムと公開されたデータの継続的な悪用を示している。ShinyHunters や Nemesis などの有名なハッカーも、ミスコンフィグされたサーバと S3 バケットを標的にしていることから、この種の悪用が、大規模に展開されていることは明らかだ。