日本の金融庁による警告:証券会社を装うフィッシングと不正取引の増加

Japan ’s FSA warns of unauthorized trades via stolen credentials from fake security firms’ sites

2024/04/22 SecurityAffairs — 日本の金融庁 (FSA:Financial Services Agency) が発表したのは、インターネット取引サービスにおける不正アクセスや不正取引による、被害が増加している状況を説明する情報である。金融庁は、「実在する証券会社の Web サイトを装う、フィッシング・サイトなどから窃取された、ログイン ID/パスワードなどの顧客情報を用いて、インターネット取引サービスにおける不正アクセスや不正取引 (第三者による取引) などの事案が急増している」と警告している。

実在する証券会社を装うフィッシング・サイトで窃取された、ログイン情報を悪用するかたちで不正取引を行う事案が、オンライン取引プラットフォームにおいて急増していると、金融庁は警鐘を鳴らしている。

以下は、金融庁が提供したデータの一部であり、現時点で判明している不正アクセスや不正取引の事案のみを示しているが、未発見の事案もあると推測されるため、さらに増加する可能性があるという。

When did it occur?February 2025March 2025April 2025
(as of the 16th)
3 months total
Number of securities firms where fraudulent transactions occurred246
Number of unauthorized accesses431,4221,8473,312
 Number of fraudulent transactions336857361,454
  Sale priceApproximately 100 million yenApproximately 13.1 billion yenApproximately 37.4 billion yenApproximately 50.6 billion yen
  Purchase priceApproximately 30 million yenApproximately 12.8 billion yenApproximately 32 billion yenApproximately 44.8 billion yen

通常において、被害者のアカウントを乗っ取った攻撃者は、保有株式を売却し、その売却益で中国株などの資産を購入するという。これらの資産は、攻撃後もアカウントに残り続ける。つまり、上記の報告された売買金額は総取引量であり、顧客の損失を示すものではない。

盗難されたログイン認証情報による、不正取引などの被害に遭わないためには、ユーザー自身により、重要な予防措置を講じる必要がある。

まず、証券会社からと思える メールや SMS であっても、そこに添付されたリンクはクリックせず、事前に保存したブックマークから、証券会社のサイトにアクセスすべきである。続いて、多要素認証やログイン通知などの、セキュリティ機能を有効化してほしい。もちろん、パスワードの再利用は避け、複雑なパスワードを選択すべきであり、口座の取引履歴の頻繁な確認も必要である。

不正行為が疑われる場合には、速やかにパスワードを変更し、証券会社に連絡すべきだ。取引に用いるデバイスを、最新の状態に保ち、信頼できるウイルス対策ソフトウェアを使用することも、マルウェアに関連するデータ窃取の防止に役立つ。

日本の金融庁 (FSA) が推奨するのは、証券会社のオンライン取引サービスを利用する際の注意点について、日本証券業協会が発行している注意喚起を確認することである。