Cisco Antares: A New Family of Open Source, Inexpensive Compact Security AI Models
2026/07/21 SecurityBoulevard — Cisco がリリースした Antares は、新たなセキュリティ AI モデル・ファミリーでありローカルでの実行を安価で提供するものだ。Antares は、大規模なクラウド・ベースのモデルで起こり得るデータ漏洩のリスクを回避しながら、脆弱性のあるコードの発見を低コストで支援する。

おそらく、多くの人は Cisco を AI 企業として認識していないだろう。しかし、それは Cisco が AI 分野で進めている取り組みが、十分に認知されていないことを示しているに過ぎない。その最新の例が小型言語モデル (SLM:Small Language Model) Antares のリリースであり、フロンティア AI システムを利用する場合と比べて、大規模なソフトウェア・リポジトリ内の脆弱なコードを、低コストで特定するために設計されている。
最初の 2 つのモデルである Antares-350M と Antares-1B は、Hugging Face 上で open-weight モデルとして公開され、より大規模な Antares-3B は後日提供される予定である。
Antares の目的は、Anthropic の Claude Mythos 5 のような高性能なフロンティア・モデルの利用に伴い、増大し続けるコストを削減することにある。Antares は、汎用的なコーディング・アシスタントと競合するのではなく、脆弱性の特定に特化している。それだけに機能を絞ることで、コストを重視する多くの開発者にとって十分な選択肢となり得る。
Cisco によると、社内テストでは Antares を用いた 500 エントリの評価を単一 GPU 上で約 15 分で完了し、コストは $1 未満であった。これは、比較対象となった最高性能のオープンモデルと比べて 15 倍ほど安価であり、評価対象となった最上位のフロンティアモデルと比較すると 172 倍も安価であった。

この性能を評価するために、Cisco は Vulnerability Localization Benchmark を作成した。これは、一般的なコーディング能力ではなく、セキュリティ上の脆弱性の位置特定に特化した 500 エントリのデータセットである。Cisco によると、このベンチマークにおいて Antares-3B は File F1 スコア 0.223 を記録し、GPT-5.5 の 0.229 に迫る結果となった。
きわめて小規模なモデルにもかかわらず、この結果を Antares-3B が達成した点に注目が集まる。また、Antares-1B は評価対象システムの中で最も高いリコールを記録し、Antares-350M は大規模な複数の汎用モデルを上回る性能を示した。
前述のとおり、Antares はローカルまたはオンプレミス環境で実行できるため、セキュリティチームは機密性の高いソースコードを自社環境内に保持できる。そのため、これらのモデルは、エアギャップ環境や閉域ネットワークへの導入に適しており、独自コードをクラウド AI サービスへ送信することに慎重であった組織にとって有力な選択肢となる。
Cisco における Antares の位置付けは、大企業だけではなく大学/公共機関/非営利団体/小規模セキュリティ・チームなどに対しても、AI ベースのセキュリティ・ツールを普及させるための広範な取り組みの一環としてのものである。Antares のようなコンパクトなモデルにより、高価なフロンティア・モデルに頼ることなく、AI を活用するコード分析の導入が可能になると、同社の発表資料に記されている。
Stanford University の Management Science and Engineering 教授である Amin Saberi は声明で、「セキュリティが贅沢品になってはならない。これまでの高度な AI ベースの検出技術は、フロンティア・モデルに対して予算を持つ組織だけが利用できるものであったが、その状況を変えるのが Antares である。セキュアなコード推論において、フロンティア・モデルに迫る精度を低コストで実現し、すべてのコミットで実行できるほど高速である」と述べている。
Cisco は、Antares は Foundry Security Spec などを取り込んだ、より大規模なセキュリティ AI の取り組みの一部であると説明している。Foundry Security Spec とは、エージェント型セキュリティ評価のためのモデル非依存フレームワークであり、このフィールドに対して Cisco は CodeGuard を提供している。それは、Secure-by-Default の実践を AI コーディング・エージェントのワークフローへ組み込む、モデル非依存のオープンソース・セキュリティ・フレームワークである。
これらを総合することで、実運用環境における防御担当者が、測定と統制を実現するシステムにより、実用的な AI セキュリティが具現化される。それは、単発のデモのためのものではないと、Cisco は主張している。
訳者後書:今回の記事で取り上げられた Antares の背景にあるのは、高性能なフロンティア AI モデルなどを活用するコード分析ツールが高コストであり、機密性の高いソースコードがクラウドから漏洩するリスクです。このコストとセキュリティの壁が、組織での導入を難しくしていました。Cisco が開発した小型言語モデルは、脆弱性特定に機能を特化することで低コスト化とローカル実行を可能にし、これらの課題を解決しようとしています。開発現場でのセキュリティ分析を、より身近にする取り組みとして注目されています。よろしければ、Cisco での検索結果も、ご参照ください。
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